母乳将神 ターベッタ ②
かつて母乳神として高みへ登り、今では僅かに残された力で何とか人の形を保っている幼女ナツメ。彼女はダンカンの決断を母乳ファクトリーの外で待つことにした。
しかし彼女が去ったのはターベッタが人質を取る少し前であり、ナツメはその事を知るよしも無かった……。
(きっとダンカンは自らの命を捨てるかも知れぬ……そうなればどんな手を用いても奴を……)
真剣な表情で母乳ファクトリーを見つめるナツメ。こうしている間にも母乳ファクトリーの中ではサヤカが激しく暴れ回っていた。
「おっ♪ こんな所に幼女が!!」
母乳警備兵の一人がナツメを見つけ目の色を変えた。
「コラコラお嬢ちゃん。お兄さんと茂みの中で良いことしましょうね♡」
腰を落とし手を繋ごうとする母乳警備兵に対し、ナツメは思い切り股間を殴りつけた!
「死ぬのじゃ!!」
「うごぉぉぉぉ……!!」
母乳警備兵は痛みの余り母乳を噴き出し、警備服をビチャビチャにさせたまま股間を強く押さえ地面へと倒れ込んだ。
「死ぬのじゃ!!」
「ぐああああ!!」
オマケでもう一撃蹴りを股間へお見舞いするナツメ。母乳警備兵は痛みの余り失神した……。
―――カッ、カッ……
聞き慣れた足音は鈍く、その足取りは実に重苦しかった。その手に抱えた獣人は酷く血を流しており、既に息は無かった。ダンカンも酷く傷付いており、歩くのがやっとである事が窺えた。
「ダ、ダンカン……!?」
ナツメはどう声を掛けるべきか困惑した。その手に抱えた獣人について聞くべきか泣きながら笑うダンカンについて聞くべきかターベッタとの戦闘について聞くべきか……そして悩んだ挙げ句どれについても聞くことが出来なかった。
(ダンカン…………)
無言で去りゆくダンカンの背中を見守りながら、ナツメは母乳ファクトリーから紫色の煙が僅かに上るのを感じ取った。そして母乳ファクトリーはグチャリと崩壊し、瓦礫の隙間からサヤカがお尻を突き出していた。
「ダンカン様抜けません!助けて下さい!! いえ、やっぱり助けないで下さい!色々とチャンスですよ! 今なら何が起きても私分かりませんから!!」
ナツメは瓦礫を少しよかし、サヤカのお尻を大きく露わにした。
「もしかしてダンカン様ですか!?」
―――パシィィン!!
「んほぉぉぉぉ♡♡♡」
サヤカの媚声が瓦礫の中から聞こえてきた。
「ダンカンなら居らぬぞ……早く出てこんか、帰るぞい!」
「はぁぁい……」
―――ドガァ!
勢い良く瓦礫の山が吹き飛ぶと、中から元気なサヤカが現れ辺りをキョロキョロと見渡した。
「ダンカン様は?」
「向こうじゃ。だが今はそっとしといてやれ…………」
サヤカはビキニアーマーのズレを直しながら首を傾げた…………
乳英雄編終わり!!




