母乳プリズン
新章突入!!
深い深い海の底から、ゆっくりと浮上する様な感覚。魚が目の前を優雅に泳ぎ、時折大型の魚が勢い良く横切る。上を見ると水面には太陽がギラギラと光って見えた…………
「お……き……」
水面に近付くと太陽はより一層輝きを増して、目が開けていられない程の眩しさであった。
「―――起きろ!!」
「……ふぁっ!?」
私が目を覚ますと、そこは窓一つ無い狭い部屋。壁は一面真っ白で、隣には何故か露出の酷い白銀のビキニアーマーを着た女が立って居た。でもコイツも母乳一族で男なんだろうな……。
「やっと起きたか。これよりお前を尋問する! いいか、正直に答えるように!!」
大きな剣をガツンと地面に突き、私は思わず後ろへと下がってしまった。とりあえず説明を頼みたい……。
「あ、あの~……」
「何だ?」
「ここは一体……?」
「質問は私がするのだ! お前は黙って答えろ!!」
ガツンと再び剣が地面を突いた。地面はヒビ割れ割れた破片が私の頬に当たる。
(黙って答えろって……何か矛盾してないか?)
私の思考を余所に女は姿勢を正して直して口を開いた。
「お前が覇乳母神チュベビを離乳させたのか?」
「…………」
「どうなんだ!!」
いやいやいや……私の記憶には無いのだけれども、いつもの展開なら多分そうなんだろう。きっとナツメが……。……!
「一緒に居た幼女は!? 何処にいるんだ!?」
「な、何だ!? 二人の幼女なら隣の部屋でジュースを飲んでいるぞ?」
私は開いた口が塞がらなかった。とりあえず無事で良かったが、それなら尚更私のこの状況に合点が行かないぞ?
「……記憶は無いのだが、多分そうだと思う」
「!!」
ジュースを飲ませる辺り悪意は無さそうな人だと思った私は、正直に答えることにした。とりあえずここから出たいからな。
「そ、そうか! それなら頼みがある!!」
急に雲行きが怪しくなる。嬉々として目を輝かせるビキニアーマーの女は剣を壁に立て掛け座り込む私の前に屈んだ。
「私は母乳ポリスの聖剣課所属、サヤカ・チチデカイナーだ。気軽にサヤカと呼んでくれ。と言うかそう呼べ。然もなくば殺す……」
やだこの人やっぱり悪い人だ。そう思い苦笑いで少しばかり身を退いた私は壁に背中がぶつかった。
「私と一緒に『母乳コロシアム』に出てくれないか!?」
立ち上がり拳を握るサヤカとやら。まだ色々聞きたいのに先に母乳ワードを出さないで欲しいな……。私は苦笑いをしながら丁重に断る言葉を探した。
「い、いや……今忙しくて……」
「た、頼む!! 母乳コロシアムは母乳一族が居ないと参加出来ないのだ!! 私は母乳一族ではないので誰か強者を探していたところなのだ!!」
……え?
母乳一族では……ない?
つまり……
目の前に居るオッパイは本物の女物?
「サヤカ……」
私は重低音響くイケメーンボイスで顔もキリリと格好良く決めた。
「一緒に母乳コロシアムに出ましょう!」
「……は、はい!!」
こうして私はオッパイに負けた。




