第二十七話
艦これの建造で陸奥が出た時はかなり喜びました。
そして判る人には判る人物が出てます。
「……それで、イタリアはギリシャに連敗していると?」
「ヤー。その通りです総統」
フリッチュからの報告に俺は溜め息を吐いた。その理由は上記にも書いてある通りでイタリア軍がギリシャ軍に連敗しているからだ。
史実では1940年十月二八日にイタリアはその前年に軍を進駐させたアルバニアからギリシャへの侵攻を開始したが逆にギリシャ軍に侵攻を阻止されてアルバニアへの侵攻を許してしまい、ドイツがバルカン作戦を発動させる。
しかし、ユーゴスラビアで軍事クーデターが勃発して新政権は三国同盟への加入を取り消してソ連と不可侵条約を締結してしまう。
俺はイタリアにアルバニアで留まって兵器の更新を急がせるよう打診をしていたが、イタリアは何を思ったのか史実の日にちと同じにアルバニアから侵攻を開始したのだ。
今のところはユーゴスラビアで軍事クーデターが勃発する事は起きてないが……このまま史実通りになればクーデターが起きるのは確定だな。
「ルーマニアやブルガリアに軍の動員を要請する。くそ、ムッソリーニの奴め。まだ動くなと言うているのにどうして動きたがるんだよ……」
「総統、我々はどうしますか?」
フリッチュはそう聞いてきた。フリッチュの他にはゲーリングがいる。
今回は海軍の出番は無いのでレーダーは乗組員の編成を急がせている。
「……我がドイツからは二個装甲師団、二個軍と一個航空艦隊を派遣しよう」
本当ならもう少し派遣出来るが、エジプト攻略のためにドイツ・アフリカ軍団(DAK)をリビアに派遣するから兵力は少なめである。
なお、エジプト攻略作戦には海軍の第一機動部隊と戦艦部隊もイタリア海軍と共に参戦する予定だ。
海軍の艦載機は戦闘機を除いて艦爆隊と艦攻隊は洋上迷彩が施されている。
航空自衛隊のF-2の洋上迷彩だと思ってくれたらいい。ちなみにこの発案は日本側であり、日本海軍の空母の艦爆隊と艦攻隊は全て洋上迷彩で統一されているらしい。
「総統、一個航空艦隊ですが編成が完了した第七航空艦隊を投入したいのですが……」
ゲーリングがそう具申してきた。
「編成が完了した第七航空艦隊をかね? 実戦には支障無いのかね?」
「は、確かにヒヨコ達ですが……この第七航空艦隊にルーデルとガーランドの部隊を編成させてやろうと思います」
「……ベテランの技を見せて真似をしろと?」
「その通りです……が、それは上手く行けばの話です」
ゲーリングはそう言ったが……恐らくルーデル達をプロパガンダにでもさせるのだろう。
「……そこのところはお前に任せるゲーリング。ところで、迎撃戦闘機はどうなっている?」
「ミルヒがフォッケウルフ社に開発を命じています。少なくとも来年には試作機が出来上がるかと思います」
成る程な。クルト・タンク技師なら問題無いかもしれんな。
「それと、各都市にアハトアハトを筆頭に高射砲を配備させつつあります」
「うむ、万が一に備えての防空態勢は整えておくのだ。それとジブラルタルはどうなったのだ?」
実は三日前、自由イギリス領のジブラルタルにフランコ将軍のスペイン軍が侵攻を始めたのだ。
スペインは枢軸国寄りではあるが、正式には加盟していないんだが……多分ドイツに借りでも作らせたいんだろうな。
それかドイツ製の武器が欲しいのかだな。
「戦況ですが、スペイン軍が有利に展開しているようです」
「何日でジブラルタルは陥落すると思うかねフリッチュ?」
俺はフリッチュに視線を向けた。
「スペイン軍は凡そ二十万、それに武器提供でスペイン軍には二号戦車の戦車部隊がありますから十日以内には陥落するかと思います」
「そうか……まぁスペインがジブラルタルを攻略してくれるならジブラルタル攻略作戦は破棄だな」
スペインがジブラルタルを攻略するとは思ってなかったのでドイツとイタリアでジブラルタルの攻略を思案していた。
が、スペインがジブラルタル攻略を始めたので破棄する事になったのだ。
「そのようですな。ところでマダガスカル島ですが……」
「どのような具合かね?」
「比較的穏やかです。フランス軍も我々に協力的なので統治も万勉なくいけるでしょう」
ヒムラーはそう報告をした。フランス戦後にマダガスカル島をフランスから譲渡してもらい、ドイツの領土となっていた。
ドイツから部隊が細々と入植しており、駐留するフランス軍といざこざが起きると不安だったがそれは杞憂のようだな。
「マダガスカル島にUボートの基地を設営すればインド洋はドイツと日本の物だな」
「はい、既に主要港に基地設営をしています。完了するのは数ヵ月は掛かります」
「うむ、頼んだぞ」
「ハイルッ!!」
フリッチュが敬礼をする。そして問題はと……。
「アメリカの出方だな。奴等の挑発はどうだ?」
「は、海軍等からはドイツ国籍の船にアメリカの巡洋艦が近づいたりしていますが、今のところはそれだけです。ですが、日本への挑発はかなり増えています」
「日本の領土である台湾とフィリピンは近いからな。彼等も疲れるだろうな」
俺はそう答えたのであった。
――十二月十日、トリポリ――
ドイツ・アフリカ軍団(通称DAK)は総司令官をエーリッヒ・フォン・マンシュタイン歩兵大将にして配下には第十九装甲軍団司令官ハインツ・グデーリアン中将がなり、第十九装甲軍団の中(基幹は三個装甲師団)にはエルヴィン・ロンメル少将の第七装甲師団もあった。
歩兵師団は全部で十個歩兵師団になり空軍も第五航空艦隊と編成が終了した第六航空艦隊を派遣していた。
「即刻攻撃すべきですッ!!」
第七装甲師団長のロンメルはマンシュタインにそう迫った。
「しかしなロンメル。アフリカに到着しているのはお前の第七装甲師団と二個歩兵師団しかないんだ。気持ちは分かるが……」
「心配ありません。勝算はあります」
「………」
ロンメルの勝算という言葉にマンシュタインは黙った。そしてマンシュタインはニヤリと笑った。
「成る程……あいつらを使うのか?」
「その通りです。彼等なら存分に活躍するでしょう」
「……判った。出撃を許可しよう」
マンシュタインは出撃を許可した。そしてロンメルは第七装甲師団と共に出撃した。
しかしこの時、第七装甲師団にはある試験部隊が加わっていた。
第七装甲師団はエル・アゲイラを占領し、二個歩兵師団もエル・アゲイラに進出。
しかし、自由イギリス軍も負けてはおらず一個戦車連隊を出して攻勢に出ようとした。
だが、彼等がいた。
「な、何だあの戦車群はッ!!」
連隊長は双眼鏡を見ながらそう叫んだ。自由イギリス軍に迫ってくる戦車部隊は徹甲弾を弾きながら停止して砲撃してきた。
そして走行するマチルダ2を撃破した。
「フハハハハハッ!! ドイツの兵器は世界一ィィィィィィッ!!」
五号戦車ティーガーのキューポラから顔を出している少佐はそう叫んだのであった。
彼等と呼ばれたのは四号戦車パンター、五号戦車ティーガーを筆頭に混成実験戦車連隊であった。
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