外伝 - 問題児たちが別世界へ行くようですよ?- プロローグ
青春旅行に続くパラレル第2弾。
許可は取ったとはいえ、色々はっちゃけますのでご注意ください。
・元ネタ:電気羊の異世界プロトコル(作者:みかぜ―様)
http://book1.adouzi.eu.org/n3973bm/
『EGF』というゲームを知っているだろうか。
EGF――正式名称、エヴァーグリーン・ファンタジア。
“Ubiquitous Platform for Augmented/Virtual Reality”――略してUPARと呼ばれる設備を用い、VR空間へ構築された異世界『エヴァーガーデン』を冒険する、VR-MMORPGの一時代を築き上げた金字塔。
多数の大企業によるバックアップを受けたこのゲームは、今までのそれと一線を画し、現実世界とほぼ等しい仮想感覚、現実世界を凌駕する愉しみをユーザーへと与えた。
仮想が現実を超えた――そう言って憚らないプレイヤーもいるほどである。
所詮ゲームという大人も勿論いたが、大多数の人間はこのゲームへハマった。誰もが知らぬ未開へ至り、血風吹き荒れる戦場を邁進し、超常たる力を奮って敵を誅する――その快感は、今までのヘビーユーザーだけでなく、ライトユーザーですら虜にしたのだ。
そうして、このゲームの魅力に取り憑かれた集団が、ここにも一つ。
伊達一護。
伊達雪音。
神楽葵。
八重葉風見。
月都鷹。
兄妹同然に育った、五人の幼馴染集団だった――。




