緊急会議3
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「そしてその消失事件から数年後のある日を境に、鬼が現れるようになったと。そこまで調べて、さすがに私1人で抱えておける話ではないと思い、坊っちゃ…ランドル様に報告したんです」
マイケルはそこまで話すと一息つき、紅茶を口にした。
「なるほど。それで鬼と召喚、契約者ひいては神官との繋がりまでが濃厚になったのか」
「はい。当時のスペルディアの動機とやり口は、己がこの世界の神になり代わるために、契約者を利用しようとするものでした。ですので、スペルディアが生きているとすれば、契約者を召喚し利用しようとするはずです。神官だったヤツならば、召喚方法を知っていますから」
契約者の召喚方法は、神官のみが知る一子相伝の術。
神殿に住まう者は皆、大なり小なり神力を持ってはいるが
召喚の儀式にどれだけのリスクが伴うのかも知っている。
おいそれと試す者はいないだろう。
森で会った契約者も鬼は「召喚されていた」と言っていた。
仮にあの契約者がスペルディアに召喚されたのだとしたら
今まで鬼は一体誰が何のために召喚していたのだろう?
「その契約者とやらに直接話聞くんが一番手っ取り早いんとちゃうか?」
「直接…というと、ここへ連れてくるということか?」
「他に何があんねん」
マイケルの話の後、陛下とランドルが話し始めたが
俺はどうしても気になったことを尋ねた。
「あの、話の腰を折るようで申し訳ないのですが、先程から御二方ともスペルディアが生きているという前提で話を進められているようですが…なぜ、そのような前提ができるのですか?」
するとランドルは、なんだそんなことかと言わんばかりに溜め息を吐いた。
解せぬ。
そもそも、スペルディアの話自体が100年以上前のことなのだ。
普通に考えれば生きているはずのない人間を、なぜ生きていると
仮定することができるのか、俺には分からなかった。
「あんなぁ、自分が神になるために契約者を利用しようとして、それがでけへんかったからって殺してまうような異常者やで?その他の禁の1つや2つ、犯すことを躊躇うとは思われへんやろ」
俺が要領を得ないでいると、アーサーが助け船を出してくれる。
「魔術の中には禁術とされているものがいくつかあるが、その中の1つに不老不死の術がある。術に生きた人間という生け贄が必要になることから、非人道的なものとして禁術に指定されているんだよ」
「不老不死…だがそんな事をしても、自身の存在を隠し通すことなんてできるのか?100年以上だぞ?」
「不可能ではない。と思います」
黙って聞いていたケイトが、おずおずといった感じで口を開いた。
「自身に幻術を施せば、全くの別人として認識させたり、人の目に映らないようにすることも可能になります。そんな状態で人気のないところに居を構えたり、あるいは同じ場所に留まらず、各地を渡り歩くなりすれば、見つかる可能性は極めて低くなると思います」
「現にその契約者かて、森ん中を縄張りや言うて今まで住んでたんやろ?鬼の件がなかったら見つからんかったんとちゃうか?」
そう言われれば、確かにそうかもしれない。
しかし、そんなに長い間見つからないものだろうかとも思う。
優秀な魔術師なら幻術など見破るだろうし、魔力感知を使われれば
禁術の使用などすぐにバレそうなものだが・・・。
俺がモヤモヤと考えているうちに、話が進んでいってしまった。
「しっかりせぇや、ダレル。ええか?お前また森に行かなあかんのやろ?鬼に契約者、戦う事になりでもしたら、まず勝ち目ないで。穏便に頼むわ」
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