あの時のコッチ側2
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うんうん、素晴らしい連携だね。
3人の猛攻により、魔獣は面白いように翻弄されている。
『おーい、そろそろ行くよー。トドメ取っといてねー』
『分かりました。お願いします』
『了解ッス!バシッと決めちゃって下さい』
『じゃ、僕達は散開しますね』
私は魔獣へ向かい走り出した。
狼達に気を取られている魔獣の背後へ回り込み抜刀する。
そして森の木々を足場にし、魔獣の頭上へ飛び出すと
狼達の散開を確認し、ガラ空きの首へ介錯してやった。
・・・アダマンタイ刀、恐るべし。
一発であの太い首を斬ったのもさることながら、魔獣だけを斬ったつもりが
その下方の地面に結構深めの切れ込みが入ってる。
さっき素振りした時に、なんか空気をも切り裂いている気がしてたんだけど
どうやら気のせいではなかったみたい。
・・・これは、アレか。
いわゆる「鎌鼬」というやつか。
あまりの切れ味に変な汗が出たが、落ち着こうと思い深呼吸をする。
すぅ〜・・・ふぅ〜・・・
あ、いけない。騎士団ほったらかしてた。
私は極力平静を装い、騎士団に向き直り声をかけた。
「ごめんなさい。話が途中になってしまって」
まさか自分の武器の切れ味にビビり散らかしていたなどと
悟られるわけにはいかんので、まるで何事もなかったかのように話を進めた。
「鬼だったわね。それなら確かに現れましたよ。街道のド真ん中で行商人が襲われていたので、私が助けました」
私がそう言うと、騎士団の面々は顔を見合わせる。
この上なく怪しんでるな。
すると未だ警戒心MAXで、抜剣状態キープの団長さんが険しい表情で尋ねてきた。
「あなたが助けたということは、鬼を倒したのですか」
「倒した…とは少し違いますね。正確には保護でしょうか」
「保護?匿っているということですか?」
「うーん…まぁ、そういう事になりますかねぇ」
「バカな…あり得ない!そもそも、お前は何者だ!」
再び剣を構え直してしまった。
こりゃダメだ。
なるべくなら穏便に済ませろとヴィータに言われていたのを思い出し
契約者であることを明かすことにした。
まず、鬼のこと。
召喚され洗脳されていたこと。
洗脳を解いたら話が通じること。
それから私自身のこと。
不正に召喚された契約者であること。
それが故にこの国では忌み嫌われる、鬼と同じ双黒であること。
過去、この国で起きた神官の裏切りを知っているから正体を隠していたこと。
ついでに刀は鬼からもらったものであること。
「だから私はこの国に入る時、自分の容姿を隠したのよ」
ざっくりとだがすべてを説明し、外套のフードと仮面を外した。
それを合図に、3兄弟は狼から獣人へと姿を変え
私の足元に跪いたのだった。
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