あの時のコッチ側1
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プロローグは団長のダレル目線。
ここから数話はカオリ目線。
読み比べてみるとちょっと面白い・・・かも。(´・ω・`)
臨戦態勢を取っている騎士団を刺激しないように
両者にゆっくりと近付きつつ、念話で3人に説明を求めた。
『何故に狼形態?』
『あ、ヘルが言い出したんスよ。こっちのがイイって』
『今までカオリ様は契約者であることを隠していましたから、僕達が獣人の姿で人間の目に晒されることは望まれないかと思いまして。もし契約者であることを告白するとしても、僕達が狼から獣人へと変態し、カオリ様への忠誠を見せる形を取れば、契約者だということに信ぴょう性を持たせられるかな。と』
つまりはパフォーマンス。
3人とも狼形態ということは、普段このチームの司令塔である
フェンも納得した上での行動ということだね。なら大丈夫か。
狼と戯れつつ事情を把握した私は、未だ警戒を続ける騎士団に向かって
なるべくゆったりと声をかけた。
「さて、王国騎士団とお見受けしますが・・・彼等の縄張りにいかな御用向きで?」
すると、騎士団の中で一番の実力者であろう男が剣を下げ名乗り出た。
「失礼。私はベルマーノ王国騎士団団長のダレル・バートンという者です。先日、この辺りで鬼の目撃情報が寄せられ、討伐に参りました」
予想通り、鬼の討伐だった。
剣を下げるだけで、鞘に収めないのは警戒を怠っていない証拠。
なるべく穏便にこっちの事情も説明しなくちゃならんのだが・・・
さっきから、魔獣が近くをウロついてんのよね。大型のやつ。
騎士団一行は森の中にだいぶ入り込んでいたから、ここは魔獣避けの結界の外。
しかも私達と騎士団という、魔力の塊ができている。
魔獣にとってはこの上ないごちそうが並んでいるのだ。
こっち来なきゃいいなぁ。と思いながらも
とりあえず、団長さんの話に対して何か返事をしとかんと。
聞いてないと思われるのも心外だからね。
「なるほど…鬼ですか。それは・・・」
そこまで言ったところで、魔獣がこっちに向かってきた。
やっぱりかとも思ったけど、ついうっかり心の声が漏れてしまった。
「チッ!なんでこっち来るかな」
私の呟きを聞いたフェンが、魔獣方向に威嚇をしながら念話を繋いできた。
『カオリ様、この気配、薄っすらとですが覚えがあります。恐らく俺達の家族を殺したヤツかと』
『え、マジで!?じゃぁ、あんた達だけでやる?弔い合戦』
『まぁ〜それでもいいんスけど〜、でもカオリ様はその新しい武器を試してみたいんじゃないっスかぁ?』
ヨルがニヤニヤした感じで話に入ってくる。
うぐぐ・・・図星なだけに何も言えない。本当に勘が鋭いなコイツは。
『俺達も思う所はありますが、そこまで固執しているわけではありませんよ』
『僕達はとりあえず一撃かまして一矢報いるので、トドメはカオリ様がお願いします』
『うん、分かった。なんかゴメン。ありがとう』
『フフッ、お気になさらず。よし、行くぞ!』
バキバキと森を踏み荒らしながら咆哮と共に現れたのは、熊っぽい大型魔獣だ。
その姿を確認するやいなや、3頭は一斉に魔獣に飛びかかっていった。
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次回更新は3日、木曜日を予定しております。
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