アダマンタイ刀
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
「あ、あだまんたいと・・・?」
「はい!加工は少々難しいですが、私達もお手伝い致しますし、武器にされるのであれば丁度いいかと思いまして」
「ハッ!!もしや、お気に召しませんでしたか!?」
「あ、いやいや、そういうわけじゃないんだけど」
急にオロオロし始めてしまった彼女達に説明をする。
「アダマンタイト」という名前は知っていたが私がいた世界では
あくまで架空の金属で、実在はしなかったということ。
同じような理由で、加工をするタツもアダマンタイトを知らないかもしれない
ということを、タツ本人についての説明も交えつつ話した。
「そういうことでしたか。ですが、ご心配には及びませんわ!先程もローズが申した通り、私達もお手伝いいたしますので」
「実はこの世界でも、加工の難しさ故にアダマンタイト製の武具は幻の逸品と呼ばれているんですよ。それにしても、鬼の鍛冶職人とは…」
なんでもその特殊性のため、加工する際に必要になる
熱する温度と冷却する温度が、鉄などとは桁違いなんだとか。
普通の鍛冶職人には、まず扱えないらしい。
彼女達が手伝うと言っていたのも、この温度に関することだった。
優れた魔術師の魔法でなければ出せない温度。
彼女達は、契約者特典につき体術はもちろんだが、魔法においては
ローズは火、ルリカは水、ミモザは土、リーフは風
と、それぞれの属性に特化した使い手だった。
ドラゴン達の協力の下無事に鉱石を採り終えた私は
ローズとルリカを連れて帰宅。
我が家を見て感嘆の声を上げる彼女達。
そういえば、彼女達をここに連れて来るのは初めてだったな。
今度、ミモザとリーフも連れて来てあげよう。と心に誓った。
タツにローズとルリカを紹介し、早速打ち合わせスタート。
タツの話を聞きながら、回収した鉄鉱石から鉄を造り出す。
アダマンタイトは案の定タツも知らなかったたので、ローズの指示の下抽出。
見たことも聞いたこともない素材を前にして
タツの好奇心が抑えられなかったようで、早速そちらで打ちたいと言ってきた。
もちろん異論はない。むしろせっかくローズとルリカが来てくれたのだから
そちらからやるべきだろう。
3人が刀作りに精を出している間、私は全力でサポート。
とは言っても、せいぜいご飯を作るくらいしかできないが。
しかし皆結構喜んでくれて、ローズとルリカに至っては
「まさかカオリ様の手料理を頂けるなんて…」
と涙まで流していた。
・・・後で絶対ミモザとリーフにも食べさせてあげなきゃ・・・。
タツもタツで
「まともに食事をしたのはずいぶん久しぶりだ」
と言って喜んでくれた。
妖世界の食糧事情を聞いてみると
物質的な食事はもちろんあるのだが
一番腹の足しになるのは、人間からの畏怖の念らしい。
それはそれで気になるな。今度時間がある時に詳しく聞いてみよう。
そんなこんなで、タツの保護から約半月。
念願の日本刀「アダマンタイ刀」が出来上がったのだ!やったー!!
タツに刀を手渡され、恭しく受け取る。
感激のあまり手が震えた。これは…もう、家宝やわ。
鞘から抜いてみると、鉄や鋼とは違う不思議な色の刀身が姿を見せた。
思わず溜息が漏れる程の美しさだ。・・・ヤバい。泣きそう。
「本っっ当にありがとう!未来永劫、大事にするね」
「礼を言うにはまだ早い。せっかく鉄もあるんだ、小太刀と脇差も打ってやる」
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次回更新は29日、土曜日を予定しております。
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