犯人は誰だ
子どもの成長を変なタイミングで感じる事がありますw
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
「本当にそれだけでしょうか?」
今まで黙って聞いていたフェンが口を挟んだ。
「フェン?どういうこと?」
「今までの鬼を倒してきた騎士団や魔術師団は、もちろん自身や国の民を守るためだったでしょう。しかしその神隠しという現象、召喚以外に説明ができません。だとするならば、今まで鬼をこちらの世界に強制的に連れてきていた者がいるということでは?ましてや洗脳などという禁を犯している以上、悪意しか感じられません」
な、なんと立派に育ってくれたんだうちの子は!
…じゃなくて、確かにフェンの言う通りだ。
タツの話を聞く限りでは、鬼側から何か
アクションを起こしていたとは考えにくい。
フェンの仮説が現実ならば、なかなかに穏やかでない話になってくる。
ヴェールとヴィータに聞けば、鬼の出現は50〜60年前から始まり
その後定期的に繰り返されているのだそう。
だとしたらそんな長期に渡り、鬼を召喚し洗脳し続けている者がいるということ。
一体誰が?何のために?
ふと、自分もそんな状況だったことを思い出す。
・・・何か、関係あるのかな?
「やっぱ、1回神聖国の上層部に会うしかねぇな」
「そうね。神官に話を聞いた方が良さそうね」
思考の海に沈みそうになっていると、ヴェールとヴィータが声をかけてきた。
「鬼の召喚に神官が関わってるかもってこと?」
「可能性はあるわ。そういえば言ってなかったけど、召喚って神官と契約者の専売特許なのよ」
久々に言ってなかったシリーズが発動したな。
「世界が危機に陥った時、神の代行者として契約者を召喚するのが神官。そして、呼び出された契約者に俺達が召喚される」
「従魔達も召喚できるのは契約者本人だけだしね。こんな風に召喚は神に触れる事ができる者だけに許された、特別な儀式なのよ」
「そうだったんだ…。それも人間達が決めた禁忌?」
「まぁ、そうだな。だが、どちらにしても並の人間が召喚を行うことはできない。使う力の量と種類が違うんだよ」
「量はなんとなくわかるけど…種類?」
「えぇ、普段人間が生活や戦いの中で使うのは魔力。でも召喚で必要になるのは神力といって、魔力とは異なる力なのよ」
「神力・・・神に触れる事ができる者だけの特別な力・・・か」
「あぁ、万が一にもそれらを無視して神力を持たないものが無理に召喚を行えば、力が足りない分生命力を持ってかれる。早い話が死ぬ」
「!!…なるほど。不正な召喚の代償は命か。確かにそんなリスクを背負ってまで鬼を召喚したってメリットはないよね」
さらに詳しく話を聞けば、異世界からの召喚は神力と同時に
膨大な魔力も必要になるため、とてもではないが
1人でできるものではないらしい。
契約者が1人で神達や従魔を召喚できるのは、1つに同じ世界にいるからと
もう1つは魔核のサポートがあるからなんだとか。
「つまり、召喚が行われてる=神力を持つ者と、相当な魔力持ちが関わってるって解釈でOK?」
「そういうことね。ちなみにこの世界の人間ならば、余程の無知か幼子でもない限り、召喚についての禁忌は知っているはずよ」
「そうなると、いよいよ神官が怪しくなってくるね」
ここで話していても机上の空論なのは分かっているのだが
今ここに回復しきっていないタツを残して動くのは気が進まない。
それに、あの時襲われていた行商人の男が
きっと首都へ鬼の出現を報告しに行っているのではないか。
であれば、鬼と同じ双黒の私が今首都へ向かうのも得策ではない。
考え込んでいると、今度はヘルが提案してくれた。
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