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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第6章
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狼一頭 いや、三頭

あの時代劇の主人公の名前は「狼一頭」をもじったものだそうです。

私の雄叫びに、周囲にいたらしき鳥達が一斉に逃げていった。

ケモ耳キッズも驚いてわちゃわちゃしている。


「どうしたの主様!大変な事?」

「主さま、たいへん?」

「たいへん?たいへん?」


焦りまくっている私を尻目にヴェールとヴィータは

「え?」みたいな顔をしていた。


「いやいやいや!言ってたじゃん!」

「「んん〜?・・・・・・あ!あぁー!」」

「そういや言ったな、そんな事。わりぃわりぃ、あの言い方じゃそうなるよな」

「ごめんなさいね。感覚の違いを特に考えずに説明しちゃったから、誤解させちゃったみたいね」


きっと今は私が「え?」みたいな顔をしていることだろう。


「人間の感覚じゃ『成長』と『老化』ってのは別物なんだろ?」

「そりゃ違うよ。ハッキリとした定義は分からないけど、肉体と精神が大人になるまでが『成長』で、そこから衰退していくのが『老化』っていうイメージかな」

「私達からしてみたらどちらも同じなのよ。生まれてから死へ向かって時間を重ねる。その感覚の中に区別するものはないわ」

「つまりだ、あの時俺達は自分等の感覚で『年は取らない』って言っちまったが、正確に言えば『成長』はするが『老化』はしないってコトだ」

「カオリ自身がその状態でしょ?今のカオリは成長しきったベストな状態で、そこから衰退することがない。ね?同じでしょ?」

「そっかぁ~。じゃぁ、この子達はちゃんと大人になれるんだね」

「あぁ。ただ、この状況は少し例外でな」

「本来従魔になった動物は食事の必要がなくなるのだけど、育てる場合は食べさせる必要があるのよ」

「なるほど。それじゃ、しっかり食べさせてあげなきゃね」


成長できるとの話にホッと一安心。

一瞬、手作りの木製ベビーカーに子どもを乗せた侍の姿がよぎった。

「連れ子狼」の爆誕を予感させたがしとぴっちゃんとはならずに済んだ。


「ちゃんとした食事をするためには・・・まず、拠点だ!」

「拠点?連れて行くんじゃダメなのか?」

「うーん、1人ならなんとかなったかもしれないけど、さすがに3人はキツい」


子どもって外でちょっと目を離すとすぐどっか行っちゃうし、ゲスな輩は誘拐や略奪の際真っ先に子どもを狙う。

召喚という手段があるとはいえ、獣人だからこそ安全で健やかに育てるためには連れて歩くよりも、ある程度の時期まで森の中に拠点を構え、自分達の縄張りを持たせる方がいいような気がしたのだ。


適度に街や街道に近い所に居を構えれば

人間の気配や存在に慣れることもできるだろうし、食料を調達しなければならないのであれば尚の事、街には近い方がいい。


しかし成長してしまえば、次に必要になるのは身を護るために戦う力。

森の中で結界を張らなければ、高確率で魔獣と遭遇する。

戦い方を教えつつ成長を見守ることもできる。


うん。やっぱり人里に近い森の中がベストだな。そうと決まれば…


「よし、じゃぁまずは君達に名前を付けよう」

「「「わーい!」」」


何がいいかと考える。


狼3頭・・・大五r・・・いやいや、それはダメだ。

1人をそれにしてしまったら、後の2人が「俺」と「お前」になりかねない。


くだらない雑念が頭をグルグルした。

しっかりしろ!落ち着け私!

改めてよく考える。


確か・・・北欧神話に狼の3兄弟がでてきたよな。

名前は・・・えーっと、フェンリル、ヨルムンガンド、ヘルだったっけ?

…長いな。縮めよう。


・・・よし!決めた!

ここまでお読み頂きありがとうございました。


お分かりいただけただろうか?

名付けのくだり、時代劇から焼酎のCMソングの話にすり替わっていることを…


次回更新は22日木曜日を予定しております。

よろしくお願いします。m(_ _)m

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