殺されてしまった契約者 −sideヴィータ−
勝手にチャレンジ企画延長戦!
毎日更新挑戦中!
延長1日目。
とりあえず、キリのいいところまで目指して(;^ω^)
「ヴェール、ヴィータ。そっちはどう?美味しいお店見つかった?」
聞こえてきたカオリの声。驚きのあまり反応ができなかった。
契約者の身の内にいる状態ならば、多少だが外の状況が分かったり声も聞こえる。
だが離れている状態でこんなにもはっきりと会話ができたことなんてなかった。
もしかしたら試したことが無かっただけで、本当はどの契約者とも離れている状態で会話ができる方法があったのかもしれない。
今更ながら、歴代の契約者達に対して無関心すぎたかもしれねぇ。と反省をした。
そう思ったきっかけはあの2人、狸のルビアスと狐のサミーロだ。
カオリにも話したが、過去の契約者の中には胸を貫かれて死んだ者もいる。
その中の1人があの獣人達の主だった。確か名前は・・・アカリだったか。
あの時は疫病が蔓延し、治癒師の数が圧倒的に足りなかった上に、無理をして魔法を使い続けた為に魔力切れを起こした治癒師自身が罹患して動けなくなるという悪循環に陥っていた。
そんな折に召喚されたのがアカリだったはずだ。
召喚されてからはいつも通りに神聖国の人間達がアレコレ教えていたが、アカリには戦い方よりも治癒魔法の向上を重点的に行なっていた。
治癒魔法を使いこなせるようになったアカリは世界を回り、病に苦しむ人間達を片っ端から治していった。
あの獣人達は、その道中で見つけて従魔にした奴等だったな。
本人達も言っていた通り、アカリはあの2人に楽器を教え共に世界を回り、病で疲弊した世界に音楽で生きる力を与えていった。
そうしてようやく状況が落ち着いた頃、ヤツが動き出した。
アカリを召喚し、当時歴代最強と言われていた神官スペルディア。
連綿と続く歴史の中には、必ずと言っていい程常軌を逸脱しているヤツが現れる。
それが一般人ならそこまで酷い状況にはならないが、政治や神事に関わる者がそれに該当してしまうと大事になる。最悪な事に、スペルディアは後者だった。
役目を終えたアカリを呼び出し、言葉巧みに唆した。
「魔核を手に入れ自らが神となりこの世界を管理すれば、もうこのような事は起こらなくなる。平和なままでいられる」と。
そして最終的には俺達を使って魔核の封印を解き、魔核の力を自分のものに。つまりは自分がこの世界の神に成り代わり、支配しようと企んでいたようだった。
だがアカリは騙されなかった。
計画がうまくいかないと悟ったスペルディアは強硬手段に出た。
アカリと俺達を消して、封印をこじ開けようとしやがった。
例によってその日は、力の手放し方を教えた日。少し1人で考えたいと言われ、俺達はアカリの側にいなかった。
治癒魔法を中心に磨きをかけ、戦闘訓練を禄にやっていなかったこともあり、アカリは大した抵抗もできずに殺されてしまった。
その後俺達が急に消滅した事で、契約者が死んだ事が発覚。
騎士団との戦闘でかなりの重症を負い捕縛されたらしいのだが、本人の魔力は封じることができず、処刑することができなかったんだそうだ。歴代最強の名は伊達ではなかったらしい。
仕方なくそのまま幽閉し、その牢と空間に封印を施して誰も近付けないようにした後、ヤツがくたばるのを待つという消極的な方法しか取れなかったらしい。
食堂でルビアスとサミーロからあの日俺達が消えた後の話を聞かされ反省した。
俺達がもっと注意して見ていれば・・・
アカリが殺されることは無かったかもしれない。
この2人は今までどんな想いで世界を回っていたのか
俺達を恨んではいないのだろうか。
正直今までの俺達なら、そこまで考えなかった。反省なんて多分しなかった。
カオリに出会って一緒にいるうちに
カオリの考えや思想に感化されてる気がした。
だが決して不快じゃない。むしろ新しい発見になって面白いとさえ感じている。
ずっとこのままでいたい。なんてバカなことを考えちまうのもカオリのせいだ。
あぁ、クソ。カオリが「器」として認められればいいのに。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
明日も更新予定です!
よろしくお願いします。m(_ _)m




