尋常じゃない契約者 -sideヴィータ-
ゴールデンウィーク勝手にチャレンジ企画!
毎日更新挑戦中!
本日は12日目。今回はヴィータ視点のお話です。
合計34体ものドラゴン達と従魔契約を結んだカオリは村人達に事情を説明するため1人で山を下りていった。
俺とヴェールは山で待機。
説明を終えたカオリが転移魔法でこちらに戻れるように。
カオリが戻ってきたら全員で村に行く予定だ。
「んにしても、やっぱアイツおかしいな」
「どれのこと?」
「全部だよ」
俺達が最初に驚いたのは始まりの森での事。
魔法の種類は様々あるが
本来契約者は適性などという言葉とは無縁のはずだった。
俺達を従えてる段階で、扱えない魔法などがあるわけがない。
だがカオリは扱えないとは少し違うが、明らかに攻撃魔法の威力がおかしかった。
通常であれば単数であれ複数であれ、攻撃対象として定めた相手にのみ。
範囲攻撃だったとしても半径5m圏内がせいぜいだ。
ところがカオリの場合、その範囲はアイツの目に映る場所全てが対象になり、対象の数を絞れば絞るほどその破壊力は上がるのだった。
さすがの俺達もこいつに攻撃魔法を使わせるのは危険だと判断し、人間の近くでは攻撃魔法を禁止した。
下手したら無差別大量殺人を起こしかねないからな。
攻撃手段に魔法を禁じられたカオリは当然のことながら
体術に集中し磨きをかけた。
その結果、空振りした蹴りで巨木を薙ぎ倒し
拳1つで大岩を消滅させるに至ったのだ。
ぶっちゃけちょっと…いやだいぶ引いた。
そんな状況だったから、あのジャイルとかいうやつも
当然死んじまうだろうと思ってた。
死んだら死んだで、仲間の記憶からもジャイルが存在してたこと自体を消してしまえばいいと思ってた。俺が直接力を使えばその程度のことは造作もない。
だが、カオリは殺さなかった。
どうやったのかは知らないが、力を制御しビンタ1発で相手を無力化してのけた。
どうやらカオリは最初から一貫して人を傷つけること
特に殺めることには抵抗があるようだった。まぁ当然と言えば当然だが。
歴代の契約者も最初こそ躊躇うが、自分が追い込まれ、やらなきゃやられる状況になると迷いは振っ切れていた。
元より召喚された状況が違う。歴代の契約者達は惨事が起きている最中に召喚されるんだから、そう悠長なことも言ってられなかったんだろうな。
だがカオリは恐らくこれからも自分が追い込まれても、どうやったら殺すこと無く無力化できるかと考えながら戦うだろう。
本来それは殺してしまうより難しく
相手との実力に大きな差がないとできないことだ。
ジャイルの時も野盗の時も
追い込まれてるように見えて実は余裕だったってことだ。
本人はそうは思ってねぇだろうがな。
それに加えて今回の従魔契約だ。
歴代の契約者を見ても猫が1匹とか、狸と狐を1匹ずつとか
1〜2匹、多くても5匹がせいぜいだ。
従魔契約だってタダじゃねぇ。それなりに魔力を使う。
しかも古代種。尋常じゃねぇのは確かだ。
なんというか・・・カオリの力は俺達の力に近い気がするんだよな。
「ひょっとしたらひょっとするかもな」
「真の主?」
「あぁ」
「いいんじゃないかしら?私、カオリなら文句ないわ」
どうやらヴェールも同じことを思っているようだ。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
明日も更新予定!カオリ視点に戻ります。
よろしくお願いします。m(_ _)m




