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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第4章
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普通じゃない契約者 -sideヴェール-

ゴールデンウィーク勝手にチャレンジ企画!

毎日更新挑戦中!


本日は11日目。今回はヴェール視点のお話です。

アグニアの街を出てからしばらく。分かれ道に差し掛かった所で、この先に野盗が潜んでいることに気がついた。カオリはまだ気付いていないみたい。

よくよく気配を探ってみれば、その更に先から男が2人とだいぶ後方に集団…あれは恐らく騎士団ね。


これは…チャンスじゃないかしら?

あの男2人がこのまま進めば野盗は間違いなくあの2人組を襲撃するわね。

そして恐らくあの2人は囮だわ。

狙いは騎士団にあの野盗を捕縛させることみたいね。

私が目配せをすると、ヴィータも気付いていたようだった。


このまま道を進み旅人が野盗に襲われている場面に出くわせば、お人好しなカオリのこと、助けると言うに決まってるわ。

未だに人間を攻撃する事を躊躇うカオリに、対人戦闘の経験を積ませる絶好のチャンスだと思うのよね。


カオリに気付かれないようにこっそり結界を張る。

魔獣に邪魔されたんじゃ集中できないもの。


「王都へ行こう。世界に何かしらの異変が起きているなら、人口が多い方が情報は入りやすい」


ヴィータがシレッと誘導しにいく。

人の心を操ることに関しては本当に優秀な男なのよねぇ。

素直なカオリは私達の誘導に疑うこと無く従った。

これはこれでちょっと心配になるわね。

お人好しで素直で疑うことをあまりしない。

さっきのは私達の言葉だからっていうのもあったかもしれないけど、このままじゃいつか騙されてしまいそうだわ。

まぁ、私達が一緒にいる以上はそんな事は起きないけど。

ともあれ、私達の狙い通りに道を進み野盗の襲撃現場に出くわす。


「カオリ、まさか助けに行こうなんて思ってねぇよな?」

「お人好しすぎるわ。あんなのいちいち助けてたらキリないわよ?」


私達がちょっと煽ると、案の定カオリは助けると言い出したが


「それに・・・対人戦闘のいい機会だと思わない?」


意外な言葉が出てきた。まさか自ら挑もうとしていたとは。

カオリはカオリで苦手を克服しようと努力してるのね。

だったら!と、私達は激励の言葉を送ったんだけど、それが良くなかったかしら?

カオリが震えだしたの。プレッシャーをかけすぎたみたい。


勢いよく野盗に向かって行ったのはいいけど、やっぱりダメだったわ。

剣を抜くことすらできずに、殴っても相手が立ち上がれる程度の力しか込められていなかった。

これは重症ね。

仕方なくヴィータと助太刀に入ろうと思っていた矢先

カオリが妙なことをしだしたわ。

剣の刃を潰したの。誰かしら?頬に十字傷の男って?

よくわからないけど、その人から何かヒントを得たみたいね。

ようやく剣を抜いたわ。刃は潰れてるけど。

どうするのかと見守っていると、カオリは潰した刃で野盗共の骨を折り始めた。

ナニコレ…拷問。さすがの私達もドン引きよ。

あの感じだと1人1箇所どころの話じゃないわよね。

やり切ったという達成感を携えて、清々しい顔で戻ったカオリを白い目で見てしまった私達は悪くないと思うの。


あのヴィータが、せめて野盗の怪我が治ったら更生できるようにと、野盗共の中にある(よこしま)な心を壊していたわ。

人間に、しかも野盗相手にヴィータの同情を誘うなんて・・・

やっぱりあの子普通じゃないわ。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


明日も更新予定!明日はヴィータ視点のお話です

よろしくお願いします。

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