再出発
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
「よしっ!それじゃあ行こうか!」
「はぁい!」
「本当に大丈夫なのか?もう少し休んだ方が…」
タツの心配を余所に、私は塔に戻ることにした。
のんびりしてはいられない。
こうしている間にも、他の皆は戦っているのだ。
「大丈夫だよ。今度はリーフも一緒だしね」
「お任せくださいませぇ!私が塔の頂上までお連れします」
「いや、しかし、あの風の中をどうやって?」
「んー、その辺は問題ないよ。今ならね」
塔周辺に吹き荒れていたあの風は
森の中に魔術師を大人数配置し
風魔法を一斉に発動させていたようで
塔に入る前に処理しようと思ったら
森の中にいる魔術師達を排除しなければならなかった。
それにかかる労力と時間を天秤にかけた結果
魔術師は無視して、塔を上るという判断に至った。
そして、スペルディアの号令に合わせて
それまでの陣形を崩し、楔に魔力を込めた結果
私に打ち破られ、魔力は底をついているはず。
回復役を持っていたとしても
私がドラゴンに乗って塔に舞い戻ることを予測し
再び風魔法を発動できる者が果たしているだろうか。
「もし風が吹いてても、大した事無いと思う。リーフがいれば大丈夫だよ。なんたって、風を操るグリーンドラゴンだからね」
「・・・身も蓋も無いことを言うようで悪いが、それなら最初からリーフを連れていけば良かったんじゃ?」
「あー・・・お恥ずかしい話なのですがぁ…私にも限界がありましてぇ」
塔の周辺に風が吹いていると聞いた時
ドラゴン対策であることはすぐに分かった。
大規模魔法陣が発動する可能性を考えると
リーフを連れては行けないが
もし、塔周辺の風がリーフの手に負えそうなら
その場で他のドラゴンと交代させるつもりだった。
「最初の段階では、いくらリーフでも無理そうだなって思ったから、そのまま待機させてたんだ」
「風は私の専門なのに、お役に立てなかったのは、心苦しかったですぅ」
「大丈夫、こっからだよ!さぁ、行こう!」
私とリーフが出発するために訓練場に出ると
皆が見送りに来てくれた。
「カオリ殿、何もかも貴女に背負わせてしまったこと、誠に心苦しいが、我々にはできることがもう無い。本当に申し訳ない。どうか、この国を、この世界を救って下され」
「えぇ、お任せください」
一国の主が頭を垂れるその姿を、諌める者はいなかった。
むしろその姿に倣い、皆が揃って頭を下げた。
「必ず全員で無事に帰って来ます。だから…そうですね、祝勝会の準備でもしておいて下さい。皆、おいしいものが好きだから、頑張った後にごちそうがあったら、喜ぶと思うんです」
「フフッ、あい分かった。盛大な宴を用意しておこう」
私が少し冗談めかした要求をすると
深刻な顔をしていた面々に、少し余裕ができた。
緊張ばっかりも良くないからね。
「じゃあ、行ってきます」
挨拶を終えると、リーフの背に乗り
空へと飛び立つのだった。
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次回更新は1日、木曜日を予定しております。
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