器
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
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「よし、分かった。それじゃ、次の質問」
「うん、なぁに?」
もう魔核の器になることは決定事項だ。
となれば、気になるのは受け入れた後のこと。
「私が器としてあなたを受け入れた後、私は私のままでいられるの?」
「あー…それは…」
ツイっと目を逸らされた。
やはり、私の自我は消えてしまうということだろうか…
「分かんないんだよね」
「え?」
「いや、だってさ、僕だって器に入るの初めてなんだよ?僕の力に君の自我が耐えられるかどうかは、入ってみなきゃ分かんないじゃん!」
「・・・・・・」
「そ、そもそも、それを心配するなら、他のところもだからね!自我だけじゃないんだよ。見た目も変わっちゃうかもしれないし…」
「マジか…」
「でもでもっ!僕は君なら大丈夫だって思ったから提案してるんだよ。さっきも言ったでしょ?他の契約者と違って、生命力を残したままこっちに来たって。その力があれば、君自身を保てると…思うんだよね…多分…」
「かなり尻窄みだね」
「うぅ…しょうがないじゃん。本当に分からないんだから」
シュンとしてしまった姿も天使。クッソかわいい。
なんだか私がいじめているような気にさえなる。
うん、そうかそうか。
分からないんじゃしょうがないよね。
かわいいは正義である。
「あ…でも…」
「ん?」
「本来、こっちの世界で使命を果たした契約者は、死んだ後、魂が元の世界に返されて、そっちで転生するはずなんだ。でも…君はそれができない」
「あー…こっちで永遠に生き続けることになるってわけか」
「そう。ごめんね。他の選択肢はあげられない」
正直、それはちょっと堪えた。
どんな形であれ、また元の世界に戻れるのであれば
家族と再会できる可能性もあるのでは?と思っていた。
「ん〜…ねぇ、私が元いた世界を見ることはできる?」
「うん、できるよ」
できんの!?
ダメ元で聞いてみたのだが
まさかできるとは思わなかった。
これ幸いと頼み込む。
「それなら、向こうの世界にいる、私の家族を見せてほしい」
「分かった」
魔核が虚空に手をかざすと、そこに映像が現れた。
懐かしくも見慣れた我が家。私の家族。
あぁ…雄太、少し見ないうちにあんなに背が伸びて…
恵美も大人びて、あどけなさが無くなってきたな。
あ・・・あの人、だいぶ痩せた。
きっと、突然私がいなくなって、相当苦労したんだろうな。
でも…みんな、ちゃんと前を向けてるみたい。
少なからず笑顔もあったし、絶望しているようには見えなかった。
「皆、頑張ったんだね。…ちゃんと、乗り越えてくれたんだ・・・ごめん・・・本当にごめんね」
いつの間にか流れ始めた、滂沱の涙が止まる頃
私はいよいよ覚悟を決めた。
「お待たせ。もう大丈夫。受け入れるよ」
「うん、ありがとう。これからよろしくね」
魔核はフワリと浮き上がると、私にひしっと抱きついた。
それを抱き止めると、目の眩む光と共にその姿が消え去り
私の中に、入り込んで来たのだった。
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