魔法陣発動
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
空箱を前に呆然と佇む2人。
こちらとしては、とりあえず箱が無事に作動したようで
胸を撫で下ろす。
だが同時に、マイケルが箱を持ってここに現れた
ということは、ランドルが無事ではないということ。
タツに状況を確認する。
「タツ、ランドルは?」
『大怪我をしていたようだが、アーサーが治療して連れ帰った。意識はまだ戻ってないが、命はある』
「分かった。ありがとう」
こっちも一安心。
箱の中身が空だと分かり、マイケルは激しく狼狽えた。
「そ、そんなバカな…なぜ!?確かに、この箱に収める瞬間をこの目で見ていたのにっ!」
急ぐあまりに、箱を開けて確認するということを
怠ったようだ。
空箱を手に、しばらく観察していたスペルディアは
何かに気付き、ピクリと眉を動かした。
「転移魔法・・・」
「はっ…?」
「この箱には、転移魔法の術式が組み込まれている。恐らく、箱に物を入れ術式を発動させると、中身を別の場所へ移せるのだろう。・・・小賢しいことをっ!」
さっきまでとは、ずいぶん口調も態度も違うが
こっちが本性なのだろう。
箱のからくりを見破ったスペルディアは
忌々し気に私達を睨みつけた。
「も、申し訳ございません!そのようなことにすら気付けず…っ!」
「もうよい。こうなれば、致し方あるまい。最後の仕上げと思っていたが、今使うしかないようだ。聖杯を…炙り出してやる」
最後の仕上げ?
何やら不穏な言葉に身構えていると
スペルディアは、懐から通信球を取り出した。
「全員に告ぐ!ただちに魔力を込め、魔法陣を発動させよ!」
何だ?
誰に話を?
全員?
魔力を込めて魔法陣を・・・まさか!!
最悪の展開が現実になると確信した私は
部屋の出入口へ向けて全力で走り出した。
「ごめん皆!後は頼んだ!!」
それだけ言い残し、外に出た私は
階段の踊り場から更に外へ
思い切り踏み切って飛び出した。
空中へ体を投げ出し
封魔の陣の効果の外に出たことを確認すると
すぐさま念話を繋ぐ。
「リーフ!行くよ!」
『はぁい!かしこまりましたぁ!」
「転移!」
落下する前に、素早くリーフの元へ転移した。
リーフは今、ドラゴンの姿で首都の遥か上空にいる。
私はその背に乗る形で着地した。
「ふぅ!ここまでは無事成功!」
「さすがです。カオリ様!」
「でもここからが正念場だからね。リーフ、よろしくね」
「はぁい!お任せ下さい!」
ホバリング状態のリーフの上から首都を見下ろせば
今、まさに大規模魔法陣を発動せんとばかりに
あの楔に魔力が込められていた。
あぁ、そうか。
神殿派の貴族達が消えたのは、このためだったのか。
私達に塔を上らせたり、足止めさせるトラップを仕掛け
時間を稼いでいたのも
彼らを配置する時間が欲しかったからなのか。
時間をかけて塔を上ることが重要だったのは
私達にとってではなく、スペルディアにとっての話だった。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回更新は20日、木曜日を予定しております。
よろしくお願い致しますm(_ _)m




