避難誘導 -sideコリン-
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
今回は、コリン視点のお話です。
団長達が森へ向かうのと時を同じくして
僕達は首都の住民を避難させるべく奔走していた。
「しかし、思ったよりスムーズですね」
「うん、やっぱり首都は情報の伝わりが早いね」
ケイトと共に避難を呼びかけた時
皆、想像以上に準備が整っていたことに驚いた。
なぜこんなにも周到に避難の準備をしていたのかと
疑問に思ったが、神殿派の貴族が姿を消し
北部と東部から避難民が押し寄せてくれば
自分達だけが安全なわけがないと思うのは当然だろう。
「それに、どうやらカオリ様が事前に避難を促していたようですね」
「そんなことしてたのか。さすがは姐さんだ。…それじゃ、こっちは任せていいかな?僕は行かなきゃいけない場所があるんだ」
「?・・・あっ!そうですね。こちらは大丈夫です。早く、行ってあげて下さい」
ケイトは一瞬きょとんした顔をするも
すぐに気付いて察してくれた。
僕は華やかな首都の表通りから脇道に入った。
裏路地を抜けると、そこに広がるのは
あの日と変わらぬ景色。
淀んだ空気と饐えた臭い。
飢え、病、中毒、あらゆる負のエネルギーの吹き溜まり。
力こそが全てという唯一の秩序がまかり通るこの場所こそ
俺が生まれ育った場所、スラム街だ。
いい思い出があるわけじゃない。
思い入れなんて微塵もない。
それでもここの連中も避難させなればと思ったのは
団長と姐さんのせいだ。
僕が敬愛するあの2人なら
スラム街の人間というだけで、見捨てるようなことは
まずしないだろう。
ここの連中にも一応避難を促そうと来てみたのだが・・・
「おかしいな。なんでこんなに人がいないんだ?」
いつもはそこかしこに転がっていた
生きてるか死んでるかもわからないやつらが
今日に限っては1人もいない。
しばらく歩いていると、ある集団を見つけた。
「お前ら…」
「おんやぁ?コリン副団長様でないのぉ?こぉんな所で何してるんですかぁ?」
「うるせぇ、仕事だ。お前らこそ、ここで何してる」
「んん〜?いやぁ、俺達もちょっと仕事っつーか…なぁ?」
周りにいる子分に同意を求めたこいつは
スラム街での顔なじみ。
だからといって、特につるんでたわけじゃない。
のんびりとした口調の大柄な男。
こいつがこの集団の頭、ペズ。
ドラン伯爵の飼い犬だ。
敵認定するには十分すぎる要素を持っている。
「・・・どけ。邪魔すんなら殺すぞ」
「おぉ〜、こえぇこえぇ。邪魔なんかしねぇし、心配すんなよ。この辺のやつらぁ、もうみーんな逃げてっからよぉ」
「なんだと?どういうことだ」
「まぁ、隠すことでもねぇからなぁ」
詳しく話を聞けば、どうやら姐さんからの指示らしい。
一体、いつの間に姐さんと知り合ったのかと思ったが
そういえば例の馬車壊しの実行犯がこいつらだと
報告を受けたっけ。
あの時の俺の苦労を無駄にしたのがこいつらだと思うと
正直すぐにでも殺してやりたいが
今はそれどころではない。
でもこいつら、記憶を消されてたはずじゃ?
「ドランの旦那が消えちまったって聞いた時にゃぁ驚いたが、いなくなっちまったもんはしょうがねぇ。これからどうしようかと考えてた矢先、あの姐さんが現れたのさぁ。聞けばおめぇもあの姐さんの舎弟だって言うじゃねぇか。協力すりゃ悪いようにはしねぇって言うから手伝ってんのさぁ。もう失うもんもねぇしな」
ペズはガハハと豪快に笑っていた。
消した記憶は戻したようだな。
上手いことこいつらを手のひらで転がしているようだ。
さすがは姐さんだ。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回更新は23日、木曜日を予定しております。
よろしくお願い致しますm(_ _)m




