ご機嫌ナナメ
本日は2話更新。こちらは2話目です。
結果的に、荒磯亭は大変良いお店だった。
4人も満足してくれたし、私も大いに楽しんだ。
ただ気がかりなことが1つ。
食事をしている時から、ヴェールとヴィータがずっと怒っているのだ。
それはもうプンスカと。
しかしこの場で呼び出すわけにもいかず、宿に戻ってからこっそりと呼び出した。
「ちょっと!ずるいわ!なんで呼んでくれないのよ!?」
「自分だけうまいモン食いやがって!礼だぁ!?それなら俺達にだって食わせるべきだろうが!」
「ちょっ!うるさい!しぃーー!声デカいって!悪かった悪かったよ!一緒にご飯食べたかったの?」
「当たり前だろ!何のためにあれだけ魔石を集めさせたと思ってやがる!」
「え?」
「あ」
「・・・あ」
「ほーん。ナルホドナルホド。つまり、あれだけ私から人を遠ざけて魔獣と戦わせて魔石を溜め込んだのは、自分達が飲み食いするための資金を稼がせるためだったと」
どうやらヴィータが口を滑らせやがった模様。
自らの失言に気付きオロオロと狼狽えるヴィータと焦りの表情を浮かべるヴェールに、無言で笑顔という圧をかけ続けると、観念したようにヴェールが崩折れた。
「仕方ないじゃない!私達だってご飯食べたいのよ!こっちの世界に来なきゃ食べられないの。いくら食べる必要はないと言っても、あの何もない空間にただ居続けなきゃならないのはしんどいのよ…」
崩折れた美女が涙目で訴えてくるのはなかなかに堪える。
しかし、彼等の言い分ももっともな話だ。
あの空間で彼等がどんな日々を送っていたかは知らないけど、何の楽しみも無いのであればそれはさぞしんどいであろう。
そこでふと、前から気になっていたことを尋ねてみる。
「まぁ、気持ちは分かったよ。今度はちゃんと呼ぶからさ。それはもういいとして、あれだけの魔石があったなら、2人の力でお金にできなかったの?」
考えていたのだ。魔石を破壊、回収し相当額に再生。2人の力を持ってすれば、他人の力を借りずとも入国して食事にもありつけたのではなかろうか?と。
魔石の相場は決まっているのだから、おかしな額になることもないだろうし・・・と私が話せば、2人は目を点にして開いた口が塞がらなくなっていた。
「え?もしかして思いつかなかった?」
「ぃや、バッ…おまっ…わ、分かってたよそんな事!でも…そんなん、ズルいだろうが!」
「そ、そうよ!それに、彼等に協力してもらえたからギルドの事を知ることができたし、そもそも私達がお金に変えちゃったらせっかく集めた魔石が世に出回らないじゃない!」
必死だな。言ってることは間違ってないけど、思いつかなかったならそう言えばいいじゃん。別にバカになんかしないのに。
神様だから、自分のミスをおいそれとは認められないのかな?
・・・いや、そんな事はないな。死神だって神だよね?
あのオッサン、自分のミスだと認めた上に土下座までして謝ってたぞ?
つまりこの2人の往生際が悪いだけか。
「分かった分かった。もういいよ。明日ちゃんとあの4人にも紹介するから」
「そういえば何か約束してたわね?」
そうなのだ。あの仔犬系格闘家のジャイルに、あるお願いをされて了承してしまったのだ。
とりあえずヴェールとヴィータには一旦外に出て時間を潰してもらい、明日さも初めから合流する予定だった仲間ですよ。という顔で来てもらうことになった。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回更新は23日、日曜日2話を予定しております。




