説明会
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
大会議室に集められた者達は皆、少なからず混乱していた。
突然現れたあの塔はなんなのか。
これから一体何が始まるのか。
ざわざわと静まる気配がなかった。
「契約者と神々、並びに国王陛下のご入場です。皆様、静粛に願います」
ノービス宰相の鶴の一声で、騒がしかった場内が
水を打ったように静まり返った。
案内されるまま、私を先頭にヴェールとヴィータ、陛下
の順で入場した。
呼ばれる順にも、入場する順にも
思いっ切り異議を唱えたかったのだが
本来は世界を救うべく召喚され、神々を使役する契約者
次にこの世界の神である2人
そして、助けを求める側のこの国の王
というのが正しい順番らしい。
私の異議は秒で却下され、先陣を切らされたのである。
解せぬ。
しかし、もう後には引けないので渋々口上を述べる。
「本日は、急な招集にも関わらず、ご来場頂きありがとうございます。これより、北東の森に出現した塔についての説明、及び対策会議を行いたいと思います」
「ではまず、北東の森に現れた塔についてだけど、これを説明するために先に話しておかなくてはならないことがあるわ。…いいわね?」
ヴェールが話を引き継ぎ、陛下に確認を取る。
陛下は苦々しい表情で頷いた。
陛下にとっては苦渋の決断だっただろうが致し方ない。
ヴェールとヴィータが
スペルディアについての話を語って聞かせた。
今まで、歴代の王にしか伝えられてこなかった
スペルディア生存の可能性。
そしてその可能性が、確実なものとなって現れたこと。
そんな重大な危険性を国民に知らせていなかったことが
明るみになれば、国への不信感、ひいては王への不信感を
国民が抱くことになるのは避けては通れない。
しかし、それはランドルにとっても同じようなものだ。
神殿派の貴族だけでなく、ランドルの最側近である
マイケルまでもが姿を消し味方になるはずの者がいない中
同じ神官、神殿の人間という立場にいたスペルディアの
話になれば、ランドルにも疑惑の目が向けられることは
自然な流れだった。
ヴェールとヴィータが一通りの話を終え
場の空気が王への不信感と神官への疑惑に満ちる中
私は最初にに気なった、ランドルの発言の真意を聞いた。
「ねぇ、ランドル?さっき神殿派の貴族達が戻ってこないかもって言われた時に『そんなことだろうと思った』って言ってたけど、あれはどういうこと?」
「今まで、神殿には毎日のように誰かしらが来とってん。やれ寄付や、やれお祈りやと、目的は様々やけど、その来客のほとんどが神殿派の貴族やった。ほんで、その来客の対応はマイケルがやっとってん。せやけど、アイツがいんくなってから、その来客もパッタリとなくなってん。変やな思て何件かの邸宅を調べたら、ものの見事にもぬけの殻や。残されてたんは、転移魔法のマーキングだけやったわ」
「どういうこと?まさか、誘拐?」
「いや、おそらくは自らの意志で消えたんだろうな」
ヴィータの言葉を聞いて、また会場がざわついたのだった。
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次回更新は18日、月曜日を予定しております。
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