執念
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
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「なんてことだ・・・」
事の真相が明らかになれば
それはランドルにとって、ランドルのおばぁちゃんにとって
そしてマイケルを信じていたこの国の人達にとっても
残酷な話であった。
重い沈黙が流れる中、ダレルが改めてランドルに訪ねる。
「それで?当の本人は…マイケルは今どこに?」
「それが・・・戻って来ぇへんのや」
「え、戻って来ないって…」
「ダレルに、マイケルがおかしい言うて相談した日ぃから、どこで何しとるか…神殿には戻って来ぇへん」
ランドルの言葉を詰まらせながらの返答に
もう戻って来ないのではないかという予感がよぎった。
それと同時に疑問が湧いた。
陛下とダレルパパことノービスに関しては
当時のことを覚えているのではないか。
恐らく子どもだったであろうこの2人が
当時どれだけのことを知っていて
どれだけ覚えているかは分からないが
何かヒントになればと思い尋ねてみた。
「あの、陛下と宰相殿は当時のことを覚えてらっしゃいますか?先代の契約者がその役割を終える前後の事です」
「む…そう言われると朧気ながら記憶はあるな」
「マイケルに関して、何か覚えていることはありませんか?」
私の問いに2人で顔を見合わせ、しばらく考え込んでいたが
陛下には心当たりが無いようだった。
「すまんな。あの頃はちょうど王太子教育が始まった頃で、日々追われていてな。外の様子をあまり知ることができなかった」
「私は兄上と比べれば、多少は自由になる時間がありました。1つ薄っすらと覚えているのは、あれはまだ私が幼少の頃、マイケルと共にいる先代様とお会いしたことがあります。あの時は確か、先代様がご出産されてから数カ月後くらいだったと思います。邸宅を訪れた際、赤子を抱き庭で日光浴をされていました。その傍らに、獣の耳と尾の生えた男がいたので、物珍しさからつい凝視してしまいました。すると先代様は笑いながら、彼は自分の従魔で獣人のマイケルだと紹介してくれたのです」
ノービスは当時を懐かしむように1つ1つ思い出しながら
丁寧に語ってくれた。
今の話だと、ランドルのパパだかママだかが
生後数カ月の時には、既に洗脳されていたことになる。
「しかし、神々と同等の力を持つ契約者に、洗脳などが通用するのか?」
「えぇ、タイミングを計れば可能よ」
「少なくとも、今のカオリにゃ効かねぇがな」
ヴェールとヴィータ曰く、契約者がその役割を終え
この世界で人間としての余生を望んだ後は
契約者の妊娠、出産を見守り
生まれた子が将来神官になり、世界の安寧を守れるように
加護と祝福を与えて、元いた場所に戻っていく
とのことだった。
「俺達は赤ん坊に加護と祝福を与えてすぐに消える。そして俺達が消えた瞬間から、契約者はただの人間になり、この世界の住人として余生を生きる」
「分娩中は平気でも、私達がいなくなった後は消耗した状態になり、眠りに落ちるわ。その瞬間を狙われたら、洗脳は間違いなく成功するでしょうね」
それを聞いて、スペルディアの恐ろしいまでの執念を
思い知るのだった。
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