考察と仮説
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「しかし、その『やーな感じ』っていうのが気になるね」
『そうなんだ。ランドルも魔力の感知能力は高い方だから、異質な魔力であればそう言うはずだ』
「うーん、一度見てみないことには何とも言えないね」
『だよなぁ…神々はまだ?』
「うん、瞑想中。いくら神様でも、さすがに骨が折れる作業みたいだね」
『そうか。こればかりは俺達の頭だけではどうにもならないな』
「そうだね…あ、でも1つ。前にヴェールとヴィータが気にしてたんだけど、なんかね、マイケルからはスペルディアの魔力に近いものを感じるって言ってた」
『な!?それはまさか、マイケルがスペルディアの従魔だということか?』
「私も最初はそうじゃないかと思ったんだけど、従魔契約っていうのは契約者にしかできないし、何より先代契約者の従魔だっていう話がねぇ…その認識に異を唱える者はいないんでしょ?」
『確かに、そうだな。俺達公爵家やアーサー達もその認識だし、何よりランドルとその両親までもがそう言っているからな』
「でもマイケルに何度か会ってるけど、彼自身に洗脳や隠ぺいがかけられてる様子はないんだよね。・・・ということは、マイケルが元からスペルディアの手先だったってことになる」
『バカな…だとしたら、ランドルが生まれるもっと前…少なくとも50年は潜入していることになるぞ。一体何のためにそこまで…』
「これも憶測の域を出ないけど、神官をその一族を監視するためとか?」
以前聞いた話だと、契約者の残した子孫が
神官の一族として神職に携わるという話だったが
当然、契約者というのは度々現れるわけで
その都度、神官の一族は更新されるらしいのだ。
理由は、時間が経てば経つほど
始祖である契約者の血と能力が薄くなってしまうから。
次の契約者が現れた場合、今までの神官の一族は
お役御免となり、それまでの功績を讃えられ
爵位を新たに与えられ「神殿派」という派閥に
軒を連ねることになるのだとか。
ちなみに先程のドラン伯爵家というのは
初代神官の一族だったらしく
故に「神殿派の名門家」と呼ばれているらしい。
そんな背景もあり、黒い噂が絶えないにも関わらず
大々的に捜査をすることができないのだとか。
『なるほど。確かに直近の神官一族はランドルの家だからな。だが分からん。スペルディアの手の者が、どうやって先代契約者の従魔になったのか…』
「それなんだけど、あくまで私が立てた仮説なんだけどね、マイケルは獣人じゃなくてキメラなんじゃない?」
魔力が消えるというてんがずっと引っかかっていた。
獣人ならどのような姿でいても
常に魔力を持ち続けているはずだから
魔力感知、ましてや神様のそれから逃れることなんて
できないはずだ。
にも関わらず、消えるということは
獣人ではないのではないか?という考えに至った。
「動物は魔力を持たないから、魔獣もただの動物は狙わない。マイケルは猫の獣人って言ってた。ってことは、猫の姿になれるってことだよね?キメラの場合、動物と人間を融合させたものだから、動物の姿でいる時は魔力を持たないんじゃないかな。それから、ランドルが言ってた『やーな感じ』っていのも、キメラ特有のものかもしれない」
『あり得るな。ランドルもキメラの存在を知らないのなら、今まで見たことや感じたこともないものを言葉にするのは難しいだろうしな』
「で、契約者としての力を失い、普通の人間と変わらない状態になった先代に、猫の姿で取り入った後に、目の前で人間の姿になって、『契約者の最後の力で従魔になれた』とか言われたら信じちゃいそうじゃない?」
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