キメラ
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
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え…何この空気。
ポカーンというか、キョトンというか
ヴェールとヴィータはもちろん
通信球の向こうからも2人のそんな空気が伝わってきて
皆言外に「何それ?」と言っているのが
手に取るように分かった。
「ん?あれ?キメラ…って知らない?」
「あぁ、知らねぇな」
「初めて聞くわね」
『何ですかそれ?どういうものなんです?』
なんてこった!
常日頃、ここが異世界であることを忘れ
自分の常識が通用しないことが多々あったため
近頃は「ここは異世界なのだ!」と
なるべく意識しながら生活していた。
その意識が、今回に限って裏目に出た!
神あるヴェールとヴィータが知らないんだから
存在してないってことなんだろう。
異世界ならば当然いると想っていたキメラが
まさか存在しないとは!
どうしよう…私の語彙力でうまく説明できるだろうか。
「えーっと、キメラっていうのは…元々は私のいた世界の神話に出てくる怪物なんだけど、一言でいうと異質同体の生物。1つの体の中に、異なる遺伝情報を持つものが混じっている状態や、その状態の個体をキメラっていうんだけど…分かるかな?」
「なる…ほど?」
『それって獣人とは違うんですかねぇ?』
「いまいちピンとこないわねぇ」
参った…どう説明したら理解してもらえるんだ。
「うーん…獣人はさ、元々動物だったものが、従魔契約をして、その魔力の影響で人型っていう形態を取れるようになるでしょ?キメラの場合は、初めからその状態で生まれてくるか、もしくは元々別の個体だったものを後から無理矢理1つにしたかのどっちかだと思う」
そう説明すると、明らかに場の空気がピリついた。
皆、事の重大さを理解したようだった。
「そいつぁ、ちっと看過できねぇな」
「私達の力に反することになるわね」
『だとしたら、僕達が見たあの奇妙な死骸は、人間と動物を無理矢理1つにしようとした結果、失敗して互いの力が反発し双方絶命した…ということでしょうか?』
「多分…そういうことなんじゃないかな」
とんでもないことをするヤツがいたもんだ。
ヴェールとヴィータの力に反するというのも
もしそれが上手くいってしまった場合
恐らく魂は1つになってしまうからだろう。
2体のものを1体にしてしまえば
本来2つ回収できるはずの魂が、1つ減ってしまう。
つまり、転生させることができる個体も
1体減ってしまうのだ。
数が少なければそれほど影響もないのだろうが
もしこれがまかり通り、数を増やしてしまったら
後々の生態系に影響を及ぼしかねない。
「これは、早急に手を打った方が良さそうだね。ダレルとアーサーにも連絡しておこう」
『でしたら、アーサー団長には僕達から伝えておきます』
「うん、よろしく頼むね」
ルビアスとサミーロに伝言を託し、通信を終えた。
これは…もしかしてイレギュラータイプのスタンピードも
キメラと何か関係があるんじゃないか?
ここまでくると、そんな風に考えてしまうのだった。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回更新は19日、木曜日を予定しております。
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