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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第16章
232/319

信じられないタイミング -sideアーサー-

いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!

「よしよし、よく言えたわね。よく頑張ったわ。偉いぞー」

「う…ぐすっ…ありがと…」


呆然と立ち尽くす俺を他所に

ぐすぐすとべそをかくケイトを

よしよしと慰めるシンシア。

何もかもが初めて見る光景についていけなかった。


彼女達が幼い頃からの付き合いなのは知っていた。

ケイトは俺と同い年だが、シンシアは俺達の2つ上だ。

ケイトと初めて会ったのは

シンシアと俺の婚約披露パーティーの時だった。

その後も何度か会い、その度にあまり話すこともなかったが

アカデミーで再会した時にはもうすでに

今のしっかり者で冷静な、凛とした麗人になっていた。

だからこんな風に感情を爆発させ、取り乱した様子は

見たことがなかった。


「ケイトはね、初めて会った時からアーサーのことが好きだったのよ。でも私の婚約者だってことが分かってたから、必死に自分の気持ちを押し殺して、蓋をしてたのよ。アーサーのことが好きだったけど、私のことも好きでいてくれたから、私達の幸せを壊すまいと、ずっと耐えてくれていたのね」

「うぅ…うわぁ~ん!シンシア〜、ごめんね~!」

「なんで謝るのよ。むしろ私は、ありがたいと思っていたわよ。私がこうなって、アーサーの側にいられなくなってしまった以上、アーサーを好きでいてくれるのがケイトで本当に良かったと思ってるの。ケイトになら、安心して後を任せられるもの」

「ちょちょちょ、後ってなんだよ!?話を勝手に進めn」

「おだまり!」

「ひゃい!」


話の展開について行けず、思わず口を挟もうとするも

シンシアに一喝されて変な声が出た…我ながら情けない。


「ケイトはね、どこを探しても他にこんな良い子はいないってくらい良い子なの!アンタが自暴自棄になって現実逃避した挙げ句、方々(ほうぼう)に迷惑をかけまくってた時、誰が後始末してくれたと思ってんの!?ケイトは私のかわいい妹も同然の存在なの!そんなかわいい妹を、これ以上苦しめられてたまるもんですか!迷惑をかけて辛い思いをさせた分、アンタが!責任を持って!絶対に!幸せにしなさいっ!!」

「う…あう…」


シンシアのあまりの迫力とド正論にぐうの音も出なかった。

確かに今思い返しても、シンシアを失った直後の俺は

自分で言うのもナンだが、それはもう荒れに荒れていた。


あの当時は周囲を見る余裕などなく

ただ、魔術師団長としての職務を全うすることのみを考え

私生活などあってないようなものだった。


現実を受け入れられず、酒と女に逃げ

トラブルを起こしたことも数知れなかった。

そのトラブルの尻拭いをケイトがしてくれていたおかげで

素行に問題があっても団長を降ろされずに済んでいた

という事実を知ったのは、実は割と最近の話だった。


逆に言えば、割と最近まで身近な人の行動すら

気に掛ける余裕などなかったということではあるが…。


「うぅ…ケイト…今までゴメン。あの…シンシアが言ったことはすぐには実行できないけど、もう迷惑をかけるようなことはしないから…約束する」

「ぐすっ…はいっ」

「よっ…と。ん?・・・えーっと、これは?どういう状況だ?シンシア?久しいな。元気…なわけないな。スマン、変なことを聞いた。ケイトは何があったか知らんが、良かったらコレ使ってくれ」


まさかのダレル。ここでまさかのダレル登場だ。

スマートにハンカチを取り出し、ケイトに渡す辺り

さすがは公爵家次男にして我が国の騎士団長。


よりによって、俺がシンシアに怒られているという

一番見られたくないタイミングでの登場。


「タツに『もう一押し』と言われて来たんだが…」


タツ殿の差し金!?

え、待って。

ってことは、タツ殿は一部始終全部見てたってこと!?

何その羞恥プレイ!?何コレ!?何の罰ゲーム!?

ここまでお読み頂きありがとうございました。

次回更新は15日、木曜日を予定しております。


よろしくお願い致しますm(_ _)m

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