危険な賭け
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
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カオリ殿への襲撃に関しては
一旦様子見という状態になった今
次にやらなければならないのは、アーサーの件だ。
あの時、タツの話を直接聞いていたが
にわかには信じがたいものだった。
しかし、教えてもいないアーサーの妻の存在やその名前
極めつけは、アーサー本人ですら知らなかったであろう
子どもの存在まで知っていたとなれば
あの話を信用するより他にない。
問題は、それをどうやってアーサーに伝えるかだ。
今更シンシアの話を持ち出せば
恐らく、いや、間違いなくアーサーは激昂する。
一体どうすれば・・・。
そういえば、タツは「力を貸す」と言っていた。
どうするつもりなのか聞いてみることにした。
カオリ殿が神々や従魔達と行える「念話」なるものは
あの方々だけの特権だと思っていたが
タツもできると聞いたときには驚いた。
しかも、カオリ殿達は力の繋がりがあるもの同士でのみ
可能であるのに対し、タツの場合は
互いが認識し合ってさえいれば、どちらからの呼びかけ
でも接触が可能であるというので、尚更驚いた。
神々が「自分達の上位互換だ」と
悔しそうにしていたのが印象的だった。
上手くいくだろうか・・・。
目を閉じて集中する。
「タツ…タツ、聞こえるか?」
『!ダレルか?珍しいな。というか、初めてだな。どうした?』
どうやら上手く繋がったようだ。
一安心し、話を続ける。
「タツの協力のおかげもあって、罠は張り終わった。その辺は、後程カオリ殿達にも報告を入れるつもりなんだが…今は、アーサーの件を相談したくてな」
『そうか。いつにするんだ?』
「なるべく早いうちの方がいいとは思うんだが…正直、俺自身あの時のタツの話をキチンと理解できていない。そんな状態でどう伝えたらいいか分からなくてな。力を貸してくれると言っていたが、具体的にはどうするんだ?」
『シンシア本人からの言葉に敵うものはないと思ってる。恐らく俺達がどんなに言葉を尽くしても、アーサーには届かない。だから、まずはアーサーの意識にシンシアの魂を介入させる』
「な!?そんなことができるのか?」
『未だ、シンシアの魂が現世に留まっている今ならば可能だ』
今回、またにわかには信じられない話を聞いてしまった。
確か鬼の妖力という力は、他者の意識と魂に干渉できる
ということだった。
だからこそ、その力で今こうして意識に干渉し合い
離れた場所にいるタツと会話ができているのだが。
「他者の魂」には「死者」も含まれるということなのか。
『俺がアーサーの意識とシンシアの魂の橋渡し役になる』
「生者の意識と死者の魂を繋ぐということか…それは、危険はないのか?」
『・・・実を言うと、懸念すべきことが1つある。生者が死者に引っ張られてしまうことだ。死者に会わせた生者が生きる希望を失っていると、そのまま死者に連れて行かれてしまう可能性がある』
「おい…それはマズいぞ。アーサーはシンシアを失ってから、生きる屍だったんだ。今は立ち直っているように見えるかもしれないが、本来のアイツとは程遠い状態だ。生きていく希望など、今のアイツの中にどれくらい残っているか…」
『一か八かではあるな。シンシアの言葉と願いが、アーサーにきちんと届けば踏み留まれる。だが…こればっかりは、すまないが保証できん』
なんてこった・・・。とんでもない話だ。
シンシアのことは早くなんとかしてやりたいが
下手したらそれでアーサーが死ぬかもしれない。
あまりの話に、頭を抱えるしかなかった。
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