罠を張る
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
ここから新章に突入です!
この章はダレル視点になります。
よし、これで方針は決まった。
後は、全員がそれぞれ1人になるタイミングを狙って
別の場所を教えておけばいい。
陛下には、個人で謁見許可が必要だが
その他の者達は特に難しくはない。
「お時間を取って頂きまして、ありがとうございます」
「あぁ、良い良い。ここではそうかしこまるな。かわいい甥の頼みだ。時間など、いくらでも作ってやるぞ」
密談用の会議室で、俺と向かい合って腰を下ろし
陛下はおどけた様子でそう言って
場の空気をほぐしてくれた。
その言葉に乗じて俺は地図を広げ
単刀直入に本題を切り出した。
「実は、カオリ殿の転居先が無事に決まったようでして」
「ほう、そうか。従魔達の転移魔法の練習がてら、転居先を探すと言っていたが、決まったようで何よりだ。…しかし、本人からではなく、お前からの報告ということは、少なからず襲撃を受けた件が関係しているということか」
「仰る通りです。まず、本当の転居先ですが…ここ。『南東の森の中』になります」
「ん?本当の…とはどういうことだ?」
「…大変申し上げにくいのですが…実は、カオリ殿への襲撃、調べた結果神殿関係者が手引している可能性が浮上しました」
「な、なんだと!?それは、間違いないのか?」
「まだ、確証はありません。しかし、疑念を抱かざるを得ない材料が多々ございまして…ですので、尻尾を掴むためにも、罠を仕掛けます」
「罠?」
「はい。その罠を発動させ、成功させるためには、陛下のご協力が必要不可欠なのです」
「協力…とは、何をすればよいのだ?」
「難しいことではございません。誰かにカオリ殿の転居先を尋ねられた時、先程申し上げた本当の転居先は教えずに、『北東の森の中』と答えて頂きたいのです。私はこれから、父と兄、アーサー達にも同じ話をしてきます。そして神殿の者達には、最初からカオリ殿の転居先は北東の森の中という話をします。つまり、最終的に全員が全員、カオリ殿の転居先を尋ねられたら『北東の森の中』と答える状況を作り出します」
「それが…罠ということか」
「はい。神々の話では、再度の襲撃はほぼ間違いなくある。と」
「なるほど…その状況で刺客が北東の森に差し向けられたなら、神殿関係者の関与が確定するということか」
「そういうことです。ですので陛下、くれぐれも本当の場所を他者に教えないようにして下さい。例え相手が、我が父や兄でもです。いつ、どこから情報が漏れるか分かりませんから」
「うむ。心得た。必ず守ると約束しよう」
「ありがとうございます。何卒よろしくお願い致します」
これでよし。
後は、父や兄にも同じように話せばいい。
俺はその日のうちに、2人の執務室やら私室を訪ね
陛下にしたのと同様の話をした。
ただし、本当の転居先を父には「北西の森の中」
兄には「東北の森の中」と伝えてだ。
そして次は神殿組、ランドルとマイケルなのだが…
これがなかなか難しい。
というのも、神殿は王都にこそあるものの
王城からは少し離れている上に
そもそもが治外法権をもつ独立機関なのだ。
そのため、互いに用事がない限り
気安く行き来するような間柄ではないのだ。
どうしようかと悩む俺に、意外な提案をしてくれたのは
コリンだった。
「いっそのこと、最重要機密事項の伝達とか銘打って、議会に呼び出して公表してしまっては?襲撃があったのは皆周知の事実ですし、おいそれと秘密を漏らして、疑惑の渦中に飛び込む馬鹿もいないでしょう」
悪くない提案ではあるが…言い方よ。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
「北東の森」と「東北の森」
ちょっと分かりにくいかと思いますが
東側の森の中、北の都市寄りが「北東」
東の都市寄りが「東北」という感じでフワッと
イメージして頂ければ(^_^;)
次回更新は8日、月曜日を予定しております。
よろしくお願い致しますm(_ _)m




