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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第3章
20/319

満を持して

本日3話更新。こちらは1話目です。


今回から、更新時間が変わりました。

悪しからず、ご了承下さい。

こちらの世界に転生してから早1ヶ月。

戦い方を覚えた私は対魔獣戦に慣れる為、そしてこれらの生活費を稼ぐ為に森の中を駆け回り、片っ端から魔獣を倒していった。


こんなに倒してもまだ出てくる魔獣とは一体何ぞやと聞いてみた所、魔獣とはそもそも人間が抱えている恨み辛み妬み嫉み僻みといった負の感情そのものなんだそうで、その負の感情が人が死んだときに開放され、怨念となった物が魔力と結び付き具現化した物なのだそうだ。


「だからこの世界に人間が生きてる限り魔獣がいなくなることはないわ。生まれた時は何もなくても、成長し生きていくうちに必ず負の感情は出てくるものだから」

「俺達にしてみりゃ関係ない話だがな。人間の一人一人に情を移す事などしないから、そいつらの未練までどうにかしてやろうなんて思わねぇ。だから放ったらかしといたら魔獣ってのができあがっちまったんだよ」


どの世界でも人間とは難儀な生き物のようである。

人間の負の感情から生まれた副産物が、魔獣と魔石ということらしい。


しかしこの1ヶ月、ホントに不眠不休で動けるのには驚いた。

改めての実感だったが、飲まず食わずでいられるということは、言わずもがなそれに伴う排泄の心配もないということ。

加えて、食料の調達もしなくていいということだ。

森で出会えたウサギや鳥、鹿などの本来なら食料として狩られるであろう動物たちは可愛かったのでひたすら愛でた。なんならちょっと懐かれた。


そして不休でいられるというのは24時間フル稼働できるわけで、昼夜問わず魔獣を狩ることができた。

必然的に手に入れた魔石の数も相当なものになった。

初期装備のポーチだけでは収まらなくなり、草や蔓を編んで袋を作りどんどんと溜め込んでいった。

そして3つ目の袋が一杯になった頃おもむろに


「さて、そろそろいいだろう。いい加減ここを離れるぞ」

「そうね、今のカオリならもう1人でも十分戦えるし、いつまでもここに留まっている理由もないわ」


え?あ、もしかして人里デビューですか!?


「それはそうだけど、どっち行ったらいいかわかんないよ?」


魔力感知ができるようになってからは魔獣を標的にして反応のある方へ向かって走り回っていたので、実質森の中をぐるぐるしているだけだった。

以前ヴェールが人里には魔獣が近づけないように結界が張ってあるって言ってた。

つまり魔獣を追っていた私達は人里には近付いたことすら無いということになる。


「魔力感知ができるなら森の中に魔獣以外のものがあるのもわかるだろ?」

「うん、分かる。人間と思われるやつ」

「カオリの力ではまだ魔力だけでどんな人間か判断はできないと思うけど、この森を通るのはたいてい冒険者か行商人。たまに野盗もいるんだけどね」


ナルホドねぇ。あーだからか。

以前、この世界の人間に会ってみたくて人の気配のする方に行ってみようとしたときに止められたことがあった。

今はまだ止めておいたほうがいい。と。

もしあれが野盗だったなら、間違いなく集団で襲われていただろう。

負けることは無いだろうが、問題は私の覚悟。やらなきゃやられる状況で迷うこと無く他人を手に掛けるだけの覚悟は、正直今でもまだできていなかった。


「で、そういえば言ってなかったけど、国境を越えるにためには出入国の際に身分証と通行料が必要になるの。だからまずは人間と知り合いになって協力者になってもらわなきゃならないわ」


久々に出たな。「言ってなかった」シリーズ。

しかし協力者とは?


「事情を説明して、一旦通行料を肩代わりしてもらうってことだな」


あー、そういう・・・。

いやちょっと待て人里に出るまでのハードルが高すぎないか!?

森で突然現れた女に「金貸してくれ」

と言われて誰が「いいよ」と言ってくれるものか!

怪しさしかないだろうが!

早くも前途多難な様相に頭を抱えるのであった。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


もしよろしければ、評価、ブックマーク登録等頂けましたら

筆者が小躍りして喜びます。

よろしくお願いします。m(_ _)m

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