見送り
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
そして3日後・・・
私達は再び城へとやって来た。
3人の見送りをするべく、出発の準備を整えていた
ウィムニスの使者であるニックの元へ行ったのだが
彼は顔いっぱいに疑問符を貼り付けて困惑していた。
「あの…えっと…お荷物はこれだけですか?先日もお話した通り、陸路での入国になりますので、順調に進めたとしても、最低2週間はかかるのですが…」
2週間分の旅の装備とは思えない荷物の少なさを見て
驚いているようだった。
それもそのはず。
タツが持参した荷物といえば
正装を含めた着替えが数着と、携行食と水を少々のみ。
ヴェールとヴィータに至っては
手ブラという超軽装なのである。
「あ、そういえば言ってなかったね。基本的には3人とも飲まず食わず休まずでも平気なの。何と言っても2人は神様だからね!鬼の生態については絶賛観察中ではあるけど、物質的な食料や水は無くても困らないみたい。それでも多少の携行食と水を持っていくのは、気分転換のためだね」
なんと、遂に私まで「言ってなかったシリーズ」を
発動させてしまった。
この世界に慣れてきたということだろうか。
「そ、そうですか…では、大丈夫…なのですね?」
「フフッ、大丈夫よ。心配しないで。どうしても必要なものが出てきたら、私が作ってあげるわよ」
不安気に確認してくる彼をヴェールが宥めて納得させた。
神様にそう言われてしまっては抗う術もなく
ニックは馬車の扉を開けるのだった。
「いってらっしゃい!タツ、しっかり見聞を広めておいで」
「あぁ、行ってくる」
「2人共、タツをお願いね」
「もちろん」「任せて」
「それじゃニックさん、どうかお気をつけて。ウィムニスの国王陛下以下皆様に、くれぐれもよろしくお伝え下さい」
「はい、必ず。では、失礼致します」
馬車が動き出した。
それに合わせるようにして
騎士団と魔術師団が追随していった。
他国からの正式な来賓なので
国境まではベルマーノ軍が護衛に着くとのことだった。
「うーん…不思議な感じだ」
「何がです?」
私が独りごちると
共に見送りに来ていたコリンが反応を返した。
「いやね、ヴェールとヴィータが私から離れることって今までに無かったから、何か変な感じがしてね」
「寂しいですか?」
「寂しい…っていうのかなぁ?念話でも繋がれるし、最悪こっちに召喚するっていう手段があるから、いつでも会えると思うと、寂しいというのとはまた違う気がする。強いて言うなら・・・不安?」
「不安?ですか?姐さんに限って?」
コリンが全く腑に落ちていない顔をしている。
こいつは私をなんだと思っているんだろう。
だが、スッと出てきた言葉が「不安」だった。
思えば、こっちの世界に来てからというもの
右も左も分からない私に付きっきりでいてくれた彼らが
2人揃ってこんなに長期間、長距離離れるのは
今回が初めてだったのだ。
この世界に初めて1人で投げ出された気がして
出てきた感情が「不安」だった。
今更ながら、ヴェールとヴィータが
いかに私の中で大きな存在になっていたかというのを
改めて思い知らされたのだった。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回更新は18日、木曜日を予定しております。
よろしくお願い致しますm(_ _)m




