密談の部屋
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
訝しむ陛下に説明を続けた。
「転移魔法の練習ですから、まずはマーキングを覚えるところから始まります。今の家にマーキングができたら、その後はある程度離れた場所まで行き、そこから転移魔法で家へ帰る。というのを繰り返すことになります。その移動先に引っ越し候補地を選び、私も同行し良さそうな場所を探してしまおう。と考えております」
そう説明すると、陛下は目を丸くしていた。
「なるほど…それはまたなんとも…抜け目のないことだな」
「そうだな。こいつの抜け目のなさはなかなかだ。ちゃっかりしてるってやつだな」
「フフン♪まぁね!」
「褒めてねぇ」
「フッ・・・ハッハッハ!そうかそうか。色々と合点がいった。ではその引っ越し先が決まったときには、また教えて頂きたい」
「えぇ、もちろんです」
どうやら納得してもらえたようだ。
陛下が今日は泊まっていくようにと勧めてくれた。
晩餐の後に話をしていたために
もうかなり深い時間になっていたのだ。
せっかくなので、そのご厚意に甘えることにした。
ヴェール達にはその場で念話を繋ぎ
明日の朝帰ることを伝えた。
密談用の部屋も形無しである。
『陛下にはうまく取り繕えたと思う。引っ越しのための下見だって言ったら、納得してくれたから』
『そう、なら大丈夫そうね。他には何か聞き出せた?』
『うーん、特には。強いて言うなら明日の議会で、ウィムニスからタツが正式に招待を受けたことと、私への襲撃の件を公表するってことくらいかな』
『ふーん、じゃあとりあえずは明日帰ってきて、次はまた3日後に城へ行けばいいってことね?』
『そういうことだね。じゃ、明日の朝イチで帰るから、留守番よろしくね』
以前作戦会議をした時にダレルが言っていた。
議会で何か新しいことを議題に上げるときには
事実確認や資料作成のため、事前に報告が必要で
最低でも、陛下、宰相、宰相補佐の3名には
話をしておかなければならない。
今回の私への襲撃もダレルが報告を遅らせたとはいえ
その3名は他の者達よりも、早く知っているのだ。
そのせいもあって、密談用の部屋で話をしたようだ。
ヴェールへの連絡を終えて、その日はベッドへ潜った。
そして翌朝。
身支度を整えて帰ろうとしていると
今日の議会に呼ばれたというマイケルと出くわした。
「カオリ様、ヴィータ様、おはようございます。お帰りになるのですか?」
「あ、マイケル。おはよう。そう、昨日陛下のご厚意で一泊させてもらったの。晩餐の後に話し込んでたら遅くなっちゃってね」
「えぇ、伺っております。昨日、ウィムニスから使者が来たと聞きましたが、それと関係が?」
「そうそう、その話は今日の議会で詳しく聞けると思うよ。ところでランドルは?」
「あぁ、坊っちゃんはちょっと憚りに…」
そこまで話すと、マイケルは周りを見回して
声を落として話を続ける。
「ところでカオリ様、襲撃を受けたと伺いましたが本当ですか?」
「あぁ、うん。そうなんだよ。幸いこれといった被害は出てないんだけどね。引っ越そうと考えてるところなんだよね」
「そうでしたか。ご無事で何よりです。お引越し先はどちらに?」
「まだ決まってないんだよね。これからあちこち見て回って、気に入った所があったら移る予定だよ」
「なるほど。いい場所が見つかるよう、私もお祈りしていますね」
「うん、ありがとう。それじゃ、またね」
そう言って、その場を後にしたのだった。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回更新は16日、火曜日を予定しております。
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