陛下との密談
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
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あれからしばらくして
遂にダレルからその一報が齎された。
「ウィムニスから使者が到着した。タツと共にこちらに来て欲しい」
「いよいよだね。とりあえず一旦顔を見せに行くよ」
本当はこの後の行動も知っている。
全て計画通りなのだから、旅の準備もできている。
でも傍目から見て、それを悟られるような
動きをしてはいけない。
まずはウィムニスの使者さんにご挨拶。
そしてそのまま晩餐会。
事前にダレルと打ち合わせていた話を
さも、つい先程決まったかのように話した。
ダツがウィムニスへ行く時は、お目付け役として
ヴェールとヴィータが同行すること。
ファイが家庭教師をやってくれるので
私は獣人達の世話役としてこちらに残ることなど
当たり障りのない話をした。
つつがなく晩餐会は終了し
タツの出発は3日後に決まった。
そのまま帰ろうとしたところ、陛下に呼び止められた。
「今、少し時間を取ってもらえるだろうか。聞きたいことがある」
「はい。分かりました」
怪しまれないように、明日からの準備のため…
という名目でヴェールとタツには帰ってもらい
私とヴィータだけがあの時の小さな会議室に通された。
ヴェールとヴィータが魔核の話を暴露した時に使った
この会議室は、国家機密の話や他国の要人との
密談用に作られた部屋で、元々遮音の結界が
張られているとのことだった。
部屋に入り席に着くなり、陛下は本題に入った。
「して、襲撃を受けたというのは本当か?」
「えぇ、本当です。アンデッドを3体、けしかけられました」
「術者の魔力を調べてみたが、案の定スペルディアのヤローだった。まるで隠す気は無さそうだったな」
あのアンデッド達には隠ぺいの魔法は使われていなかった。
以前、私達がその存在を暴き、公表してしまったのもあり
恐らく、もう私達には通用しないと踏んでのことだろう。
「と、言うことは、間違いなくカオリ殿を狙ってのことだな」
「えぇ、私の居場所はもうヤツにバレています」
「そうであったか…。実は私もつい先日その話を聞いてな。明日の議会でダレルが報告をする予定なのだ」
私達への襲撃の報告をダレルは意図的に遅らせた。
襲撃を手引した本人はその時期を当然知っているが
それ以外は襲撃の事実すら知らない。
しかしその実行犯ですら、あの時あの場に
ダレルがいたことは知らなかったはず。
あの時、私がダレルと共にいたことを知っていたのは
魔術師団だけだったが
アーサーもケイトもすでに容疑者から外れている。
ダレルのあの一言がなければ
私達がスパイの可能性に気付くことはなかっただろう。
気付いたとしても、容疑者を絞れたかどうか疑問だ。
私達がスパイの可能性に気付き
更には内部の人間を疑っているということは
容疑者達に悟られるわけにはいかない。
ダレルはあの場にいなかったことにして
襲撃からしばらく経って、私から連絡を受け
初めて襲撃を知った。
まだスパイの可能性には気付いていない。
という体を装い、犯人が尻尾を出すのを待っていた。
「ですので、私達は今、引っ越しを考えています」
「引っ越し?」
「えぇ、このままではいつまた襲撃を受けるか分かりません。手をこまねいて、それを受け入れてやるつもりもないのでね。ファイに家庭教師をお願いしたのはそのためでもあるんですよ。先程もお話はしましたが、お聞きになってますよね?」
「あぁ。カオリ殿の獣魔達に、魔術師団の者が転移魔法を教えることになったという話だったか…それと引っ越しにどのような関係が?」
繋がりが見えない話に
陛下は訝しげな表情を浮かべた。
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