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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第2章
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不憫な契約者 -sideヴェール-

3話更新。こちらは3話目です。

あぁ、またネガティブな思考に陥ってるわ。不憫な子。


今回、不自然に召喚された契約者を儀式の場所へは行かせないことを決めた私達は、自分達で契約者を育てることになった。


本来ならば神聖国内に召喚されるから、呼び出した側の人間は契約者の事情を知っている。

戦い方や魔力の使い方を教えるのはこの世界の人間の役目なの。

契約者の方も、天寿を全うして自らの死をキチンと受け入れた後に死神と私達からの説得と説明をされた上で、納得して契約者になるのよ。


必要なくなるとは言え習慣的に食事と睡眠を求める契約者に対し、常ならば不自由しないだけの環境が与えられるわ。

でも今回に限っては、まず自分の身を守る戦い方を覚えてもらわなければならなかった。

この世界の人間達に手取り足取り教えてもらえればさほど不安にもならなかったと思う。この世界が自分を頼って、受け入れてくれるというのを肌で感じる事ができるから。


自分の体に起きた変化を理解し、未だこの世界の人間に出会えていない彼女にとって、これから先は不安しかないだろうと思う。


ヴィータの後を追いながら思考の海に溺れそうになっている彼女の気を逸らしてあげようと、一時結界を消した。

するとすぐに魔獣が襲ってきた。

ヴィータが難なく蹴散らすと、その音でカオリが我に返った。

ヴィータには私の意図が正確に伝わったようで、若干呆れ顔で溜め息を吐かれた。

でも歴代の契約者と比較しても、カオリが優秀だというのは嘘ではないわ。

初めて魔獣と遭遇した時も、私達が側にいたとは言え臆すること無くヴィータの戦い方をしっかり観察し、いかに自分のものにできるか考えているようだった。


その後ヴィータも言っていたように、ただ追随するだけだったとしても考え事をしながら彼の動きについて行くのは並大抵のことではなかったはずよ。

ヴィータはちょっと意地悪なところがあるから、あの時彼はわざと難しいルートを選んでいたの。


それから魔力操作。元々魔力や魔法という概念のない世界からくる契約者は魔力操作に少なからず手こずるわ。

向き不向きはあるけれど、早くても3日長ければ1週間はかかるのが普通よ。

それなのにカオリは魔力操作を始め、握ったこともないであろう武器の使い方、体の使い方から対魔獣との戦い方に至るまで、たった5日で覚えたの。

・・・不眠不休が可能という特性を最大限利用して、かなりのスパルタだったことは否めないけど。


でもそんなスパルタに弱音も不満も口にせず、ひたすらに食らいついてきた彼女の集中力たるや尋常ではなかった。

なぜそんなに頑張れるのかと尋ねた私に彼女はこう言った。


「私がやられちゃったら2人も共倒れしちゃうんでしょ?私が2人の弱点になるのは嫌だもの。2人は私に新しく生きる意味をくれた大切な存在だから、絶対に失いたくない。私が2人を守れるくらい強くならなきゃね!」


こういうの、何ていうんだっけ?目からウロコ?青天の霹靂だったかしら?

今まで数多くの契約者を見てきたわ。神である私達に守ってくれと言った者はいたけれど、自分が私達を守るだなんて言ったのはカオリが初めてだった。

不覚にも、ちょっと泣きそうになったわ。

やっぱり、カオリは今までの契約者とは一味違うわ。大事にしなきゃ!

ここまでお読み頂きありがとうございました。

これにて第2章終了です。

次回更新は12日、水曜日に3話を予定しております。

新章突入です。

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