改良の余地
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
「じゃあ、とりあえず俺達はこれで」
「うん。連絡待ってるから、よろしくね」
ファイとダレルは帰って行った。
家に入ると、何やらヨルが難しい顔をしていた。
「どうしたの?」
「あ、カオリ様。さっき、あのアンデッドがファイさんの魔力を目印にしてここまで来たって言ってましたけど…そうとも限らないんじゃないッスか?」
「と言うと?」
「いや、城でカオリ様に会ってるヤツなら、カオリ様達の魔力も知ってるはずッスよね?ってことは、カオリ様の魔力を目印に来てたかもなーって思ったんスよ」
「…ねぇ、ヨル?まさかとは思うけど、城下に出る時、魔力を全開にして歩き回ったりしてないよね?」
「そんなこと、するわけないじゃないッスか!全開にしちゃうと、分かる人間には俺達が獣人だってことがバレるから抑えておけって言ってたのはカオリ様じゃないッスかぁ!」
ヨルの発した疑問に一抹の不安を覚え確認したのだが
どうやらバカにされたと思ったようで
ちょっと不貞腐れてしまった。
「あぁ、ゴメン。別に疑ったわけじゃなくてね、ヨル達にそう言っておきながら、自分達が何もしてないわけないでしょ?ってこと」
「え?あー、まぁ、そりゃそうッスね」
以前はそこまで気にしてなかったし
なんなら魔獣ホイホイとして
便利機能ぐらいに思って思っていたのだが
森の中に住むことになり、子ども達が幼かったこともあって
これではマズいということで、魔力を抑える練習をした。
完璧に抑えられたと思っていたのも束の間
ダレルに出会い「人間ではないことは一発で分かった」
と言われてしまい、更に魔力抑制に磨きをかけ
今や、一般人とそう変わらないレベルまで
コントロールすることが可能になっていた。
そして、初めのうちこそ家の周りに魔獣避けの結界なども
張っていたが、魔力を抑えられるようになり
子ども達も自分で魔獣を倒せるようになった今
それは解除し、タツと出会って以後その魔法の存在を知り
隠ぺいの魔法を施すに至った。
「だからね、森の中で隠ぺいの魔法に阻まれた一般人レベルの魔力を探すより、ファイのマーキングの方がはるかに見つけやすいの」
使っているうちに分かったのだが、隠ぺいの魔法は
物や人にかけることはできても
空間にかけることはできなかった。
加えて、転移魔法のマーキングというのは
言わば狼煙のようなもので、マークをしたその場所から
常に術者の魔力が立ち上っている状態。
なので、自他共に目印にするにはもってこいなのである。
ちなみにだが、この家に私のマーキングはない。
私自身は、神様コンビのいるところ
あるいは彼らの魔力があるところには
マーキング無しで転移できるため
最初にヴィータがしてくれたマーキングで
戻って来れる上に、最近は従魔達の元へも
マーキング無しで行けるようになっていた。
「じゃあ・・・あ!地面に隠ぺいかければいいんじゃないッスか!?」
「あー、うん。それに関しては、もうちょっと実験が必要でね」
恐らくまだ改良の余地はあるのだが
今現在、隠ぺいの魔法は対1個体に限られているので
ヨルが言うように、地面にかけると
地続きになっている所全てが対象になってしまうのだ。
そうなると、他の誰かのマーキングまで隠してしまうし
発動にも維持にも、膨大な魔力が必要になるのだ。
「なんか…ウマくいかないんスね」
「まぁ、いろいろとやらなきゃいけないことはあるのよ。その中でも、まずはコレ!こいつの改良だ!」
私は意気揚々と、ダレルから預かった
通信球を取り出したのだった。
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