表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の神はインモラル  作者: アリス
第2章
17/319

現状を体現

本日は3話更新。こちらは1話目です。

そんなこと考えながら木々の間を飛び回っていると、不意にバン!という音がしてハッとした。

見れば、ヴィータが魔獣を蹴散らしていた。

アァ、いかん。思考が沼ってた。

私は気を引き締め直すとヴィータに続いて木から下りた。


「考え事をしながらとは随分余裕だな」


少し呆れたように言われて言葉に詰まる。


「うぅ・・・ゴメンナサイ。危機感が足りませんでした」


素直に謝るとヴェールがフォローしてくれる


「この短時間で考え事をしながらヴィータについて行けるようになるなんて、カオリが優秀な証拠よ」


優すぃ・・・さすがリアル女神様・・・


「じゃ、次は戦闘訓練よ!戦うための体の使い方を覚えましょう!」


アメとムチの使い方がエグいんよ。

でも実際、それが今の最重要課題と言っても過言ではない。

日本という平和な国で生まれ育った平凡な私にとって、戦闘などという物騒な言葉とは無縁の生活をしてきた。

戦うと言うことは命をかけること。一度死を体験したからこそ、あんなのはもう二度とごめんだと思うと同時に、他者の命を奪う覚悟も容易にできるとは思えなかった。


再び思考が沼った私を見て、ヴィータが大きなため息をつく。


「だったら、まずは魔力の使い方を先に覚えろ。魔獣と戦うためには魔力操作は必要不可欠だ。だから・・・そうだな、今の俺達の状況を体現してみろ」


ヴィータはそう言うと、意地の悪い笑みを浮かべて人指し指をピンと立てた。

するとその先に、ロウソク位の火がポッと灯った。


「俺達は今一文無しだ。お前のいた世界じゃ今の俺達みたいな貧乏人の生活を『爪に火を灯す様な生活』って言うんだろ?実際にやってみろよ。爪に火を灯してみ?」


無駄に知識ばっかありやがって。誰が上手いこと言えと?

くそぅ、本当の事だけに何も反論ができない。


「おぅおぅ、やったろうじゃないの!くそぅ・・・今に見てろよ。魔力操作も戦闘もバッチリ覚えて、魔獣バンバン倒しまくってガッポリ稼いでやるんだから!」

「フフッ。それじゃまずは自分の中に意識を集中させて。心臓を中心として流れている魔力を感じ取れたら、それを指先に集めるようにイメージするのよ」


教えてもらいながら悪戦苦闘し、ようやく爪に火を灯す事ができると、ヴェールは自分のことのように喜んでくれて、ヴィータは満足そうに鼻で笑った。


そうして魔力操作を辛うじて覚える頃には沼っていた思考は消えていて、ヴィータの皮肉も私への気遣いだったことに気付く。


ツンデレさんのアメは少し分かりづらかったけど、彼等に気を使わせてしまったことを少し申し訳なく思うと同時に、その気遣いは純粋に嬉しかった。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


誤字報告を頂きありがとうございます。

修正致しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ