強い想い
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「そんな…」
最愛の人との子を身籠った。
本来なら、すぐにでも一報を入れたいけれど
直接報告をして、彼の喜ぶ顔を見たい。
2人でこの喜びを共有したい。
そう思ったであろうシンシアさんの気持ちは
痛いほどよく分かった。
『今の話が本当なら、そのシンシアって子、並大抵じゃないわね』
『え、どういうこと?』
『ただの人間が俺達の力に抗ってるってことだ。しかも何年も』
『あ、そうか。相当な想いじゃなきゃ無理だよね』
タツの話を聞いて驚いていたのはダレルだけではなかった。
神様たちとの会話をそのまま2人に伝える。
「シンシアはなぜそこまで…やはり、アーサーに子どものことを伝えられなかったからか?」
「もちろんそれもあるが、それだけではない。心配と純粋な願いだな。『今のアーサーを見ていられない。早く現実を受け入れて、そして乗り越えて欲しい。姿を見ることすら叶わなかったが、間違いなく父親になったのだから、この子に恥じぬよう、誇りを持って、生きて前へ進んで欲しい』という願いを切実に訴えていた」
「ハァ・・・そうか。確かにな。シンシアを失ってからのアイツは荒れに荒れていてな。自暴自棄になっていて、しばらくは目も当てられなかった。ようやく少し落ち着いたかと思ったら、今度はあのザマだ」
ダレルは溜息混じりに当時のことを思い出していた。
魔術師団団長として、表向きは仕事をしていたものの
私生活は相当荒んでいたようだ。
「どうしよう…子どものこと、伝えるべきかな」
「うーん、どうするか。このことを伝えて、万が一また荒んでしまったら、今度こそ立ち直れなくなるかもしれない…」
「俺は伝えるべきだと思う」
アーサーに子どものことを伝えるかどうか悩んでいると
タツが力強く宣言した。
「シンシアの想いを直に聞いたからこそ、その強さが分かった。もう、アーサーとシンシアが直接話すことはできないからこそ、全てを包み隠さずに話してやった方がいいと思う。何より、シンシア本人がそれをアーサーに伝えて欲しいと望んでいるからな」
「それはそうだろうけど・・・」
思わず自分の境遇と重ねて考えてしまった。
突然最愛の人を失ってしまった辛さ。
別れの言葉すら伝えられなかった。
しかし、起こってしまったことは変えられない。
残された人間は、どうにかして
自力で乗り越えるしかないのだ。
だけど、やっぱり考えてしまう。
もう一度、せめてもう一度だけでも
最愛の人の声を、言葉を聞くことができななら。
一目だけでもその姿を見ることができたなら…と。
「後は、ダレルが判断してくれ」
「俺が?」
「そうだ。同じ釜の飯を食ってる仲間だろう?アーサーのことは俺より遥かに分かってるはずだ。シンシアの意志を汲み、アーサーに全てを伝えると言うなら、俺は喜んで力を貸そう」
「…そうか、分かった。一旦考えさせてくれ。どうするか決めたら、また連絡する」
「あぁ、待っている」
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