思わぬ申し出
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
どうにか乾杯をやり過ごし、あのセリフを飲み込んだ後は
つつがなくディナータイムが進んでいった。
「それにしても、カールマンも人が悪い。契約者と神々の存在を知っていたのなら、私にくらい知らせてくれてもいいものを…」
ルイ男爵は不貞腐れていた。
カールマンとは初めて聞く名前だったが
どうやらウィムニス王の名前らしい。
人前で国王を呼び捨てにしちゃうあたり、常日頃からの
仲良しっぷりが覗える。
「そう言ってくれるなルイよ。事情は知っているだろう?」
「それはまぁ、理解はしているが…」
陛下に宥められ、モゴモゴブツブツと言っている姿が
なんだか愛嬌があって、オッサンなのにちょっと可愛い。
少し罪悪感が出てきてしまったので謝っておく。
「ごめんなさい。私達が他言はしないでくれって頼んでしまったから、ウィムニス王はそれを律儀に守ってくれただけなんです。それに、私達もあの時はまだ、あなたのような立場の方がいると存じ上げなかったものですから…」
少し言い訳がましくなってしまったが
何にせよあの時点では
まだ私達の存在を公にするわけにはいかなかった。
ウィムニスでルビアスとサミーロの話を聞き
スペルディア生存の可能性を考えてからは
余計に警戒したし、慎重に動くようになった。
「あぁ!いえいえ、私としたことが!いらぬ気を遣わせてしまい申し訳ない!分かっておりますとも。私に知らせれば、必然的にヨハネス様にも知られることとなる。あの時はまだ、それが得策ではないとお考えになったのでしょう?」
なんだ。ちゃんと分かってるじゃん。
もしや男爵、かまってちゃんか?
などという和やかムードも束の間
男爵が急に真剣な面持ちになった。
「それから、タツ殿と申されたか。この度は大変な目に合われたな。我が国ウィムニスでは、ベルマーノとは違い、鬼が現れるという事象はなかったのでな。タツ殿に対する偏見も然程無い。万が一ベルマーノの民から偏見が抜けず、この国に居辛くなるような事あらば、是非ウィムニスに参られよ。いつでも歓迎致しますぞ。当然、王であるカールマンも了承済みだ」
そんな事を言ってくれて、心底驚いた。
現れたことが無いとはいえ、隣国の話なのだから
当然恐ろしい存在として伝わっているだろうに
なぜこうもすんなり受け入れられるのだろうか?
男爵に疑問をぶつけてみると驚きの答えが返ってきた。
「確かに、鬼は危険な存在だと伝え聞いておりました。しかし、ヨハネス様との密談の際に聞いた話では、カオリ殿と同じ家に住み暮らしていると。そしてカオリ殿が危険ではないと言っているならば、本当に危険はないのだろうという判断を我が王はしたようです。カールマン的にはタツ殿を正式にウィムニスへ招待することも検討しているようですぞ」
わざわざ「我が王」を強調するあたり
国の決定だということを言いたいのだろう。
マジか!?
ウィムニス王、そんなに全幅の信頼を寄せてくれてるの?
私が驚いていると、陛下は豪快に笑った。
「ハッハッハッハッ!相変わらずだな。カールマンの豪胆さには恐れ入る。タツ殿、案ずることはない。ルイもカールマンも信の置ける者達だ。もし今後、気が向いたらウィムニスに出向くのも良いかもしれん。無論、この国においても偏見を無くすようには努める。しかし、民の心を私が支配することもできんのでな」
最後は、少し寂しそうに笑っていた。
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