ルネサンスを飲み込んで
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
陛下に紹介されたご家族の皆様は
それぞれにご挨拶を下さった。
皆さんの口調を聞いて
この晩餐があくまで私的なものなのだと理解した。
少し肩の力は抜けたが
なんかやっぱり本物のロイヤルファミリーは違う。
ダレルもロイヤルなはずなんだけど
騎士生活が長いせいなのか何となく
庶民派な感じがするんだよなぁ。
騎士は貴族ばかりではないから、
庶民の感覚も分かってないとダメなんだろうし
何より庶民が近寄り難い騎士団長なんて
治安を守るという仕事にも支障が出そうだしね。
それから、ロイヤルファミリーとしばし歓談。
本来ならば今日の謁見の際に勢揃いするはずだったのだが
急遽、私がタツを連れて来てしまったので
見合わせたらしい。
その後、タツに関しては何も心配いらないという
陛下の判断の下、この場が設けられたとのことだった。
・・・なんか、スミマセンでした。
「ところで、遅れている方はどなたなんです?」
「実は、私の従兄でして、普段はウィムニスにおりますのよ」
聞けばテオドラ妃は元々ウィムニスの王女だったらしく
国同士の結束を強めるという意味もあり
かねてより兄と仲の良かった
ベルマーノの王太子に嫁いだということだった。
…ってことはこの王妃様、ウィムニス王の妹か!
「そうでしたか!ウィムニス滞在中、お兄様には大変良くして頂きまして、ありがとうございます!」
「いえ、とんでもございません!話は兄から伺っておりますわ。故郷ウィムニスの危機を救って下さったとのことで、私の方こそ御礼申し上げますわ」
で、その従兄というのが、ウィムニスとベルマーノを繋ぐ
キーマンらしく、今回私の調査の件でウィムニス王の元に
お忍びで密談をしに行った際にも
この従兄が手腕を発揮したのだとか。
「契約者と神々にお会いできる際には、是非同席させて欲しいと頼まれてな。世話になっている上に、何より妻と親友の大切な従兄だからな。カオリ殿達には事前に話もなく申し訳なかったが、断るという選択はできなかったのだ。すまないな」
「いえいえ、お構いなく。むしろ、そんな方がいるなら私もお会いしたいですし」
その後、その従兄について少し説明をしてくれた。
実質二国間の橋渡し役である彼は、身の安全を守るためにも
自分が王族であることは伏せ、小さな領地を持つだけの
男爵という地位に甘んじており、普段は目立たぬように
静かに暮らしているのだとか。
そのため、移動も馬車でする。
本来王族ならば、お抱えの魔術師に
転移魔法で送迎させることも可能だが
並の男爵でそれは目立ちすぎるので
よほどのことがなければしない。
今日遅れているのはそのためだろうとのことだった。
「そうは言っても、随分時間がかかっていますね。まさか、ルイ殿に何かあったのでは…」
アレクシオ王子の放った一言に
前世ではお笑い好きだった私はピクリと反応してしまう。
今初めて名前を聞いたが…
その従兄「ルイ」で「男爵」なの?
心配ムードが漂うその場とは裏腹に
私の脳裏に浮かぶのはあのコンビ。
その従兄、よもやシルクハットに髭を蓄えた恰幅の良い男ではあるまいな?
そして黒縁メガネに緑の服を着た従者などを連れてはおるまいな!?
* * *
「いやはや、申し訳ない!すっかりお待たせしてしまったようだ!道中で馬車が脱輪してしまいましてな」
・・・世の中に同じ顔をした人は3人いる。
よく聞く話だけど、それって異世界も対象の範囲内なのかな。
頼むから、ワイングラスだけは持たないで欲しい。
しかし今宵は晩餐会。
くそう、やめてくれ。
この状態で乾杯なんかしたら、我慢できる気がしない。
願いも虚しく、グラスを片手に乾杯の準備をする。
「それでは、今日の良き出会いを祝して…」
「rっ・・・」
「乾杯!」
危うく口走りそうになり、あのセリフをワインと共にノドの奥へ流し込んだ。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回更新は19日、火曜日を予定しております。
よろしくお願い致しますm(_ _)m




