褒め…てる?
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
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「カオリがここまで相手をコテンパンんにするのも珍しいわね」
ヴェールがそばに来て声をかけてきた。
今回唯一試合に参加しないヴェールは、面白そうな対戦を
見て回ることにしたようで、さっきまで私の試合を見て大笑いしていた。
楽しんで頂けたようで何より。
「それは…どういうことですか?」
コリンがヴェールの言葉に疑問をぶつけた。
「今までカオリは、いかに相手を傷付けずに無力化するかという戦い方をしてきたの。でもそれは、相手と相当な実力差がないとできないこと。あなたがあれだけ痛めつけられたのは、それだけあなたがカオリを追い詰めたってことよ」
「お、おぉ・・・マジっすか」
ヴェールの答えにとても嬉しそうな顔をするコリン。
だがそれよりも、私はさっきの言葉の真意を確かめたかった。
「で?舎弟って何?」
「あ、舎弟ってのは、弟分とか手下ってことで…」
「違う!それは分かってるよ。そうじゃなくて、なんでいきなり舎弟なんて言い出したの?」
「そりゃもちろん、姐さんの戦いっぷりに惚れたからです!今まで僕は、強い相手を倒してこそ自分の価値を証明できると信じて疑わなかったんですが、相手の強化を許さないという狭量さが、戦いにおいては確実に勝利につながると気付かされました。1人にかける時間が短くなる分、数をこなせばそれだけ多くの最高の瞬間を味わえるということですからね!それに気づけたことも大きな収穫です!」
・・・全く褒められてる気がしない。ってか褒めてないよね?
本人は、さも尊敬してます!という態度と眼差しでまくし立てているのだが
内容が内容だけに全く嬉しくない。
ヴェールはもう飽きてしまったようで、次の試合を見に行くとのこと。
「ついでにジンにも報告しておくわねー」
と、楽しげに行ってしまった。
ジンに報告?何を?・・・あ!さっき私が叫んだことか。
そんなことしなくていいのに・・・。
ヴェールの背中を見送りながら、ふと自分の失言に気付く。
舎弟の意味を知っているアピールをしてしまった。
元いた世界では、意味を知っているくらいはさほど不思議なことでもないだろうが
こっちの世界ではどうなんだろう?
わざわざ意味を説明し出したということは
あまりポピュラーな言葉ではないのかもしれない。
なんとなく嫌な予感を覚えながらも、それを振り払うように
その後の試合に取り組んだ。
対コリン戦を見ている手前、皆出し惜しみなしの本気モードで向かってくるが
それでもコリンには劣る。
大抵の者に対しては、傷つけることなく無力化し勝負を決めることができた。
しかし・・・
「さぁ、やっと次は僕の番ですね!全力で行きますよ!」
ジャイルは一味違った。
一度私と戦った経験のある彼は、他の者達とは違うアプローチをしてきた。
ジャイルもコリン同様、スピードと手数があった。
私は剣を最初から2本構えた。
ジャイルは宣言通りに全力だ。
試合開始の合図と共に身体強化をかけ、意外なことに真正面から向かってきた。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回更新は7日、木曜日を予定しております。
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