ハリー君改めタツ君です
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
ブクマ登録、評価並びにいいねも頂きまして
本当にありがとうございます!
これからも、生暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
しばしの混乱状態の後、悲鳴が少し落ち着いた頃を見計らって
タツの元へ行き、まずはオッサン達に声をかけた。
「お分かり頂けましたか?これが、隠ぺい魔法、そしてその本来の使い方です」
オッサン達は未だに放心状態から立ち直れていなかったようなので
ほっといてタツに向き直る。
「タツ、お疲れ様。もう大丈夫だから、向こうへ行こう」
「そうか。俺は、上手くやれたか?」
「うん!完璧だよ。ありがとう」
そう言って、まだ少しどよめきの残る中2人で玉座の前に戻った。
「陛下、ご紹介致します。従者のハリー改め、鬼のタツです」
私がタツを紹介するとタツはサッと跪き頭を垂れ、挨拶を始めた。
「只今ご紹介に預かりました、鬼のタツと申します。国王陛下におかれましては、この度拝謁の機会を賜り恐悦至極に存じます。また、過去には我が同胞が多大なるご迷惑と損害を与えましたこと、心よりお詫び申し上げます」
完璧な姿勢で完璧な口上。
実はタツ、この日に向けて挨拶の仕方を練習していたのだ。
ダレル達が来てから、いつかは公の場に姿を見せなくてはならないだろうが
その最初は恐らく、貴族ないし国王の前になることと想定して。
そして今日、その努力は見事に実を結んだ。
なんと勤勉で平和的な種族だろうか。
一言で言えば、メッチャいいヤツだ!
こんなメッチャいいヤツらを
殺戮兵器としてしか見てない外道がいることに改めて腹が立った。
見つけたらタダじゃおかねぇ!コテンパンにしてくれる!
タツの口上が終わると、どよめいていた場がシン・・・と静寂に包まれた。
鬼がまともに言葉を発している。
それどころか、暴れることもなく跪いて、挨拶から謝罪までしているのだ。
皆、呆気にとられていた。陛下ですら、驚愕の表情を浮かべていた。
なんともいえない沈黙が流れていたが、タツは微動だにしなかった。
ダレル達と初めて会った時に、一度この手の沈黙は経験済みなので
慣れたものである。
どれくらいそうしていたか、陛下が我に返りおもむろに立ち上がった。
そしてタツ前へ歩み出ると、なんと跪いているタツに目線を合わせるように
自らもかがみ込んだのだ。
またしてもどよめく玉座の間。しかし、陛下はお構いなしに声をかけた。
「タツ殿、顔を上げてくれ。丁重な挨拶と謝罪、しかと受け取らせて頂いた。だが、その件に関してはこちらからも謝罪せねばなるまい。事情を知らなかった…いや、きちんと調べもせずに、そなたの仲間を幾人も殺めてしまったこと、本当に申し訳なかった」
そして、跪いていたタツを立たせた。
国王自らの、対話と謝罪。
「洗脳されていない鬼とは対話ができる」という話を
国王が、ひいては国が公に認めて証明した形になった。
その事実に、多くの者達が安堵の声やため息を吐いたりしていた。
まだ少し懐疑的な者もいるかもしれないが、概ね受け入れられた感じだった。
一方の神殿派の貴族達は歯噛みをしているようだった。
場がまだ少しざわついている中、陛下は私達にも小声で尋ねた。
「さて、こうなるとやはり問題は黒幕だが、もはや神々と契約者を相手に隠し立てをすることも意味があるまい。この後、少し話をしたいのだが、よろしいか?」
「えぇ、もちろんです」
私達が了承の意を伝えると、陛下は玉座に戻り声高に宣言した。
「皆も見ての通り、契約者と神々は紛うことなき本物であり、鬼に対しての洗脳、及びその隠ぺい、そして対話が可能なこと。その全てが証明された。以後、神々及びカオリ殿とその従者達、そしてタツ殿の本城への出入りを容認し、皆の者には今後、鬼の真実を流布することに尽力してもらいたい。以上の結論を以て本日は解散とする」
陛下の言葉を聞き、皆、了承の意を伝えるように手を胸に当て礼をした。
陛下が玉座の間を後にするのと同時に
玉座の傍らに控えていた青年が寄ってきた。
確か彼は、ダレルのお兄さんだったはず。
「お初にお目にかかります。宰相補佐のアンソニー・バートンと申します。以後、お見知り置きを。弟が大変お世話になったようで、ありがとうございます。兄として、ご挨拶が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます」
「いえいえそんな!お世話になったのはこちらの方で…。以後、よろしくお願い致します」
そうして私達はアンソニーに案内されて
小さな会議室のような部屋へ移ったのだった。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回更新は9日、木曜日を予定しております。
よろしくお願い致しますm(_ _)m




