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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第10章
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暇ではない、神々の話4 -sideヴェール-

いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!

静寂だけが取り残された。


「・・・なぁ、俺達も()()()()だったのか?」

「そりゃまぁ、あれが本体で、私達はそこから生み出されたわけで…」


ヴィータの言いたいことはよく分かるわ。

カオリと出会うまで、私達はとにかく自分の役割をこなしてさえいればいい

有事の際には人間達のことだって守ってあげてるんだから

それで十分でしょって思ってた。


でもカオリからいろいろ話を聞いて、教わった上で実感して

人間のことが少し分かるようになってくると

それまでの自分たちの振る舞いが、いかに傲慢で傍若無人かよく分かったわ。


『だいぶ彼女に感化されてるね』


本体である魔核から見ても、私達に変化があったってことよね。

それはきっといい事なんだと思う。

でもだからこそ・・・


「ハァ・・・くっそ、どうすりゃいいんだ」

「カオリになんて話せば・・・」


私達は途方に暮れたわ。

きっとカオリはスペルディアの生存も、いつかはヤツを

倒さなきゃならいことも、薄々気付いてるとは思うのよね。

でもだからって、魔核と一体化することになるとまでは考えていないはず。


確かに、私達も少し前まではそれを漠然と望んでいたんだけど

いざその話が具体性を帯びてくると、事はそう簡単ではないってことに

ようやく気付いたの。


バカよね。ちょっと真面目に考えればすぐに分かることなのに

「まさか、そんな事あるわけない」と勝手に可能性を排除してたわ。


「でも、理屈としてはぐうの音も出ないくらいの正論よね」

「あぁ、ムカつくことにな」


今思えば、カオリから本来同調しているはずの神官の魔力が感じられなかったり

攻撃魔法や体術など戦闘力が異常だったのも、従魔の質と数が規格外だったのも

全部魔核が干渉していたからだったんだわ。


「だが、色々分かっちまった以上、話さねぇわけにもいかねぇしな」

「そうね。幸いというかなんというか、ちょうど今はベルマーノ国王に会いに行く最中なんだから、王と神官も交えてキチンと話しをしておくべきよね」

「そりゃそうだ。しっかし、どっから話すかな…」

「少し時間はかかるでしょうけど、まずは情報の擦り合せからね。人間達がどこまで状況を把握してるか確認しないと」

「そうだな。今、外はどんなだ?」


俺達が意識をカオリに向けると、どうやら玉座の間に到着したところのようだ。


『え、この分厚い扉の外から叫んだところで、中に聞こえるの?』

「「・・・・・・」」

「プッ…ククッ…あいつ、またしょーもねぇこと考えてんな」

「フフッ…緊張してるのかしらねぇ」


さっきまで重たかった空気が少し軽くなった。

やっぱり、カオリは面白い。見てて飽きないわ。


ダレルと共に玉座の間に入ったカオリ達は、王の前へ辿り着くとそこで跪いた。

そして挨拶の口上を述べているわね。


「あら、カオリったらまたあんなことして・・・」


そんな事をする必要はないと前に教えたにも関わらず

今回もそれをやっている理由を聞けば、納得せざるを得なかったわ。


「あー、まぁ、なんだ。カオリの言い分も最もだな。それに…結局俺達は名ばかりの神だしな」

「そうね…今回に限っては無力感を感じずにはいられないわね。私達にできる事は魔核とカオリの橋渡しと、それに関するサポートだけだもの」

「神を自称して他力本願じゃ示しがつかねぇが…きっと、カオリなら上手くやってくれるんじゃねぇかって思えるんだよな。きっと大丈夫だ。あいつを、信じよう」

「えぇ、そうね」


まさか、自分達の口から誰かを「信じる」なんて言葉が出るなんて

今まで考えたことすらなかったわ。

自分達が神を自称している以上、他者からの信頼や信仰の対象は

私達以外にはあり得なかった。

その私達が自分達以外の、しかも元人間を「信じる」だなんてね。


結局、悔しいけど魔核の人選が正解だったと認めざるを得ないみたい。


『おーい、ヴェール、ヴィータ。そろそろ出番だよ。準備OK?』

『えぇ、大丈夫よ』『待ちくたびれたぜ』


我らが信じる主様のため。

さあ、行くわよ!

ここまでお読み頂きありがとうございました。

次回更新は28日、土曜日を予定しております。


よろしくお願い致しますm(_ _)m

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