暇ではない、神々の話3 -sideヴィータ-
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
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・・・マジかよ。それじゃあ、つまり…
『お前が、前世のカオリを…殺したのか』
自分でも驚くほど低く怒りに満ちた声が出た。
今、あの家で俺達と家族みたいな生活をしているカオリは
スゲェ幸せそうな顔してんだ。
元いた世界で本当の家族と生活していた時は
もっと幸せだっただろうってことは簡単に想像できる。
それを・・・コイツは・・・
ヴェールも言葉こそ発していないが、俺と同じことを考えてるってのは
顔見りゃすぐに分かった。
『んー、確かにそういうことになるかもしれないけど、どうしてそんなに怒ってるの?』
『…っテメェ!本気で言ってんのか!?』
『ヴィータ!』
ヴェールに宥められてどうにか抑え込んだ。
分かってる。
分身体の俺達じゃ本体に敵うわけねぇし、何より本体が消えちまったら
俺達はもちろん、この世界だってただじゃ済まねぇ。
『どうして?』
『ん?』
『どうして彼女だったの?』
『僕が見てきた異界の人間の中で、彼女は1番理想的だったんだ。強靭な精神と慈愛の心、そして君達のことを理解してくれた上で、人間の営みを教えてくれる柔軟な考えの持ち主。・・・僕の、ママになってくれる者』
『は?』『え?』
ママ?何言ってんだコイツ?
一瞬わけが分からなかったが、俺達はハッとした。
『お前、まさか・・・』
『カオリを器にしようとしてるのね?』
『そう。彼女なら適任だと思ってる』
器ってのはつまり、魔核自体がカオリの身に宿り、一体化するってことだ。
まさに、スペルディアのヤローが企んでいること。
まぁ、ヤツの場合はむしろ魔核を乗っ取るつもりでいるみたいだが。
カオリが器に・・・。
俺達だって考えなかったわけじゃねぇ。
そうなりゃいいなんて思ってたこともあった。
今の俺達とカオリは契約で成り立っている主従関係。
俺達の本体である魔核がカオリと一体化してくれりゃ
カオリは俺達の真の主になる。
だがそうなりゃ当然、カオリはインチキなしの不老不死になる。
今までの契約者のように、出産し、力を手放すという手段を選べなくなる。
それだけじゃねぇ。
魔核と一体化するということは、正真正銘この世界の神になるということ。
もちろん死ぬことは許されず、この世界を正常に機能させるために
尽力し続けることを余儀なくされるのだ。
『っざけんな!そんな事…』
『どうして?君達だってそう望んでいたじゃない。それに、僕の力をスペルディアに乗っ取られるくらいなら、彼女の方がずっといい』
『それは…確かにそうだけど…』
理屈じゃ分かってはいるが、到底納得のできる話ではなかった。
そんなことになったら、アイツの幸せを奪うことになりかねない。
クソッ!どうしたらいい!?
『当たり前だけど、彼女が了承してくれなきゃ話は進まないからね?いくら僕でも、本人の同意なしにそんな強引なことはしないよ。だから、君達の方から話しておいてくれる?』
『ちょっと!いきなりそんな話…』
『同意さえ得られれば、僕は封印を解けるんだ。スペルディアに見つかる前に何とかしてね。よろしく!』
『あ!おい!待て!』
それっきり、魔核の声は聞こえなくなった。
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次回更新は26日、木曜日を予定しております。
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