ドラゴン怒りの・・・
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それからというもの、私がランドルと話している間
アーサーはミモザとリーフを延々と口説き続けていた。
今思えば、彼女達がアーサーと私の間に滑り込んだのは
コレを察してのことだったのだろうか。
恐るべし、野生の勘。
ミモザとリーフはリアクションは取りつつも
アーサーの言葉を華麗に受け流している。
ランドルとの話を終えた私が、そちらへチラッと視線を送ると
アーサーは気付いたようで
「あ、お話終わりました?でしたら、次は俺ともお話しませんか〜?いやー、ランドルで見慣れたと思っていましたが、双黒の女性というのもまたなんとも…」
と、キラキラスマイルでこちらに来ようとしたところ
その首根っこを、ミモザにガッと掴まれた。
「はい、ストップ。それ以上は行かせないよ!」
「私達だけならまだしも、カオリ様にあのような下品なお話はさせませんよぉ」
リ、リーフが、怒ってる…!
穏やかな口調と笑顔とは裏腹に、目が全然笑ってない。
おっとり癒し系のリーフが怒気を孕むと、場の空気が一気に冷えた。
普段温厚な人ほど怒らせちゃいけないの典型だな。
ダレルが盛大に溜め息を吐き、間に割って入ってくれた。
「アーサー、もう顔合わせは済んだ。後はカオリ殿に謁見の作法を教えるが、今回は略式だから俺1人で十分だ。お前達は謁見の準備を進めてくれ」
「あ、あぁ…分かったよ。出てく。出てくから、ミモザちゃん?手を放してくれる?」
バツが悪そうにアーサーが言うと、ミモザがパッと手を放した。
そして、これまたミモザらしからぬドスの利いた声で「次は無いぞ」と囁いた。
うーん、天然元気っ娘のミモザにあんな低い声を出させるとは…
あの男、逆にやるな。
などと変な感心をしていると、ダレル以外が出て行った扉を見つめて
ハリー君がポツリと呟いた。
「ダレル、もしかしてアーサーは家族を亡くしているのか?」
「!!な、なぜそれを・・・!」
「え!?そうなの!?なぜそれを!?」
「あぁ、それは…」
「あ、いや、ちょっと待ってくれ。大変気になる話ではあるが、今は時間がない。その話は、また後ほど詳しく聞かせて欲しい」
ハリー君が説明をしようとするのを、ダレルが制止した。
まぁ、確かに時間はない。
これから謁見するまでに、略式とはいえ慣れない作法を叩き込まなきゃならない。
状況を冷静に判断し、自分の感情を優先させないあたり、さすが騎士団長である。
「じゃあ、この話は一旦ここまで。後でちゃんと説明してもらうとして…。では、ダレル先生、よろしくお願いします」
「う、うむ。では、謁見での略式作法の講義を始める」
私のフリにちょっとだけノッてくれるダレル先生。嫌いじゃない。
それからダレル先生の講義を受け、短い時間の中ではあったが
どうにか形になるところまでは仕上がった。
「よし、ここまでできれば十分だ。後は本番を待つのみだな」
「うぅ〜、緊張してきた。ねぇ、陛下はどんな方?ウィムニス王みたいに冗談通じる?」
「むしろウィムニス王が冗談の通じる方だというのが初耳なのだが…そうだな、我が国の王も気さくな方だ。余程のことをしない限り、陛下の怒りを買うことはないだろう」
「そっかぁ。じゃ、やっぱ気を付けるべきはその神殿派って連中の方か」
「うーん、俺としては正直このような作法も必要ないのではないかと思っているのだが…」
・・・え。いやいやいや、終わった後にそんなこと言わないでよ…。
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