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第99話 風邪引きあーちゃん

 ある日の授業中。



 机に座って、黒板を見ながら、授業に集中していたら。



 「(ブルッ)」



 急に、悪寒がした。


 あれ、風邪を引き掛けているのかなあ?


 確かに今日は、朝から何だか体がダルかったしなあ。


 取りあえず、授業が終わったら保健室に行くとするか。



 ***************



 休み時間になったので、保健室に向かう。


 頭がボーとして、歩いていると、頭がクラクラしてくる。


 これは、本格的に引いたかな?


 フラフラとしながら、廊下を歩いていると。



 「あれ、あーちゃんどうしたの?(なんかへんだよ)」



 背後から、のどか先輩の声が聞こえた。



 「あ、先輩、どうも風邪を引いたみたいなので、保健室に行く所です」


 「あ、そうなんだ、気をつけてね(おだいじに)」



 そう言って先輩を別れて、保健室に向かった。



 ****************



 保健室に着いて、熱を測ると、39度近くあった。


 道理で、フラフラするはずだ。


 取りあえず、薬を飲んで、しばらくベッドで横になってから、落ち着いた所で家に帰る事にした。


 上着を脱いで、ベッドで横になっていたが。

意識がボーとはするけど、眠気もそれほど無いので、横になってボンヤリとしている。


 もう、昼休み時間だけど、食欲も余り無い。


 眠気も無く、何もする事が無いので、天井を見ながら横になっていると。



 「ガラッ」



 イキナリ、保健室の扉が開く音が聞こえる。


 それから、誰かが入って来て、ベッドの脇のカーテンを開いた。



 「あーちゃん、具合はどお?(だいじょうぶ?)」



 カーテンが開いた方を見ると、そこには、のどか先輩が立っていた。



 「はい、何だかフラフラしてたから、熱を測ったら、39度近くありましたので薬を飲みました。

しばらく横になって、落ち着いたら家に帰りますよ」


 「お昼は、食べたの?(おなかすいてない?)」


 「食欲が無いので食べていません。

先輩は食べたのですか?」


 「うん、お弁当を食べてから、ここに来たの(まんぷくだよ)」



 そう言って、先輩がベッドの脇の丸椅子に座る。


 それから、先輩が僕の額に、手を当てると。



 「やっぱり、熱があるね、寒気はどお?(さむい?)」


 「はい、何だか、変な寒気がします」



 先輩がそう言ったので、僕はそう答えた。


 すると、僕のその言葉を聞いて、先輩が怪しい笑みを浮かべながら。



 「じゃあ、あーちゃん、私が温めてあげるね(ニヤッ)」



 と先輩が言うと、僕が被っていた毛布をめくり。

それから、先輩がその中に入り込んだ。


 そうして中に入ると、僕の右脇に体を入れて、僕の肩に頭を置いた。


 要するに、僕に腕枕をしてきたのだ。



 「これで、寒く無くなったでしょ(ぽかぽかだ)」


 「先輩、風邪が移りますよ・・・」


 「大丈夫、大丈夫(の〜ぷろぶれむ)」



 そう言いながら、先輩が腕枕をしている僕の肩に、頬ずりをする。


 そんな先輩に呆れながらも、僕の肩に乗せている頭を、撫でてやると。


 今度は、先輩が僕に抱きつきながら、頭を僕の胸に移動して。



 「あーちゃん、気持ちいいよぉ(ゴロゴロ)」



 うっとりした声を出しながら、僕の胸に頬ずりをしてきた。


 その様子は、まるで飼い主に甘える猫の様である。


 そんな先輩を、休み時間中、猫をあやす様に撫で続けた。



 ・・・・・・


 ・・・・・・



 その後、僕は休み時間が終わって、少しして帰った。


 しかし翌日、僕が思った通り、先輩が風邪を引いて寝込んでしまったと、後で聞いたのだった。



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不思議な先輩女子と、平凡な後輩男子との不思議な話。
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