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第90話 天然天使にいたずら3

 ある日の放課後。



 最近、図書室にも暖房が入った。


 だけど、省エネと言う理由で、たいして暖かくはならない。


 寒く無いというだけで、無いよりはマシと言う程度だ。


 最も、図書室は広いから、暖かくなりにくいと言うのもあるが。


 今、僕は麗子先輩と一緒に、カウンターに座っている。


 それで、準備室の方は、中で、のどか先輩が本を読んでいる。


 恵先輩と静先輩は、生徒会に新旧の読書部の部長と、図書委員長の顔出しの為に、出席している所だ。


 ちなみに図書委員長の方は、この学校では、図書委員長を始め、生徒会の役員は前年度の2学期で決めておく形を取っている。


 一応、図書委員の多数決で委員長を決めるのだが、事実上、活動しているのは、読書部のメンバー以外では、有佐先輩と麗子先輩だけなので。

自動的に、静先輩が次期図書委員長になった訳である。


 図書委員長の件に関しては、有佐先輩も麗子先輩も異論は無い。


 と言う訳で、僕と麗子先輩は相変わらず人気の無い図書室で、二人でカウンターに座って、本を読んでいる。



 ****************



 「う〜ん〜」



 僕は伸びをして、固まった背筋を伸ばす。


 さすがに、ずっと座っていると、キツくなってくるなあ。


 ちょっと、気分転換に準備室の方に行って見るか。



 「すいません、麗子先輩、チョット準備室の方に行ってきます」


 「うん、分かったよ」



 そう言って、僕は準備室の方に行った。



 ****************



 準備室の中に入ると、長椅子に座って、のどか先輩が居眠りをしていた。


 見ると、膝に膝掛けを掛けたまま、長椅子の背もたれと後ろの壁に寄り掛かっている。



 「すう、すう」



 近寄ってみれば、静かな寝息を立てているのが分かる。


 その無防備な姿を見ると、悪戯心がムクムクと湧き起こってきた。


 まずは揺すって、確認する。



 「先輩、のどか先輩」


 「んんん〜」



 いくら揺すっても、起きない。


 これはチャンスだ、色々とやってみよう。


 まずは、先輩のほっぺを撫でてみる。


 ツルツルプニプニで、気持ち良い感触だ。


 次に、髪を撫でてみる。


 スルリスルリと、指の間を滑らかに滑ってゆく。

 

 ひとしきり、滑らかな髪の感触を味わうと、次に目に付いたのは。



 「ゴクリ・・」



 その良く目立つ、大きな、おっ・・・じゃなく胸だ。


 良く考えてみれば、しょっちゅう先輩に抱き締められているが。

じっくりと、その感触を味わった事はあまり無い。


 先輩が寝ている、この時ならば、じっくりと味わおう。


 寝ている先輩の胸に、頭を近づけると、それから、頭を軽く押し当てる。



 「ぷにっ」



 その柔らかな感触を感じると、更に押し当てて、軽く動かす。


 時々、ワイヤーに当たるけど、そんなに気にならない。


 調子に乗って、色々動かしていると、イキナリ頭を抱き締められた。



 「なあにをやっているのかなぁ〜、あーちゃん(ん〜)」



 調子に乗りすぎて、起こしてしまった様だ。



 「本当に、あーちゃんは、おっぱい星人だなあ(ほんと)。

でも、こんな悪戯はダメだぞっ!(めっ)」


 「そんな、あーちゃんには、お仕置きだね(けってい)」



 先輩が僕の顔を、自分の方に向けると、そのまま胸に抱き締める。


 そうすると当然。



 「(息が、息が出来ないー!)」



 となり、そのまま意識がブラックアウトして逝った。



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不思議な先輩女子と、平凡な後輩男子との不思議な話。
夏の涼風
姉弟物の短編を取り揃えていますので、どうか、お越し下さい。
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