第90話 天然天使にいたずら3
ある日の放課後。
最近、図書室にも暖房が入った。
だけど、省エネと言う理由で、たいして暖かくはならない。
寒く無いというだけで、無いよりはマシと言う程度だ。
最も、図書室は広いから、暖かくなりにくいと言うのもあるが。
今、僕は麗子先輩と一緒に、カウンターに座っている。
それで、準備室の方は、中で、のどか先輩が本を読んでいる。
恵先輩と静先輩は、生徒会に新旧の読書部の部長と、図書委員長の顔出しの為に、出席している所だ。
ちなみに図書委員長の方は、この学校では、図書委員長を始め、生徒会の役員は前年度の2学期で決めておく形を取っている。
一応、図書委員の多数決で委員長を決めるのだが、事実上、活動しているのは、読書部のメンバー以外では、有佐先輩と麗子先輩だけなので。
自動的に、静先輩が次期図書委員長になった訳である。
図書委員長の件に関しては、有佐先輩も麗子先輩も異論は無い。
と言う訳で、僕と麗子先輩は相変わらず人気の無い図書室で、二人でカウンターに座って、本を読んでいる。
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「う〜ん〜」
僕は伸びをして、固まった背筋を伸ばす。
さすがに、ずっと座っていると、キツくなってくるなあ。
ちょっと、気分転換に準備室の方に行って見るか。
「すいません、麗子先輩、チョット準備室の方に行ってきます」
「うん、分かったよ」
そう言って、僕は準備室の方に行った。
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準備室の中に入ると、長椅子に座って、のどか先輩が居眠りをしていた。
見ると、膝に膝掛けを掛けたまま、長椅子の背もたれと後ろの壁に寄り掛かっている。
「すう、すう」
近寄ってみれば、静かな寝息を立てているのが分かる。
その無防備な姿を見ると、悪戯心がムクムクと湧き起こってきた。
まずは揺すって、確認する。
「先輩、のどか先輩」
「んんん〜」
いくら揺すっても、起きない。
これはチャンスだ、色々とやってみよう。
まずは、先輩のほっぺを撫でてみる。
ツルツルプニプニで、気持ち良い感触だ。
次に、髪を撫でてみる。
スルリスルリと、指の間を滑らかに滑ってゆく。
ひとしきり、滑らかな髪の感触を味わうと、次に目に付いたのは。
「ゴクリ・・」
その良く目立つ、大きな、おっ・・・じゃなく胸だ。
良く考えてみれば、しょっちゅう先輩に抱き締められているが。
じっくりと、その感触を味わった事はあまり無い。
先輩が寝ている、この時ならば、じっくりと味わおう。
寝ている先輩の胸に、頭を近づけると、それから、頭を軽く押し当てる。
「ぷにっ」
その柔らかな感触を感じると、更に押し当てて、軽く動かす。
時々、ワイヤーに当たるけど、そんなに気にならない。
調子に乗って、色々動かしていると、イキナリ頭を抱き締められた。
「なあにをやっているのかなぁ〜、あーちゃん(ん〜)」
調子に乗りすぎて、起こしてしまった様だ。
「本当に、あーちゃんは、おっぱい星人だなあ(ほんと)。
でも、こんな悪戯はダメだぞっ!(めっ)」
「そんな、あーちゃんには、お仕置きだね(けってい)」
先輩が僕の顔を、自分の方に向けると、そのまま胸に抱き締める。
そうすると当然。
「(息が、息が出来ないー!)」
となり、そのまま意識がブラックアウトして逝った。




