第75話 天然天使にいたずら2
ある日の放課後。
今日はカウンターに座っている。
結局、僕以外の全員が結託していたらしく、集団の圧力で僕がコスプレをしなければならない羽目になった。
僕が良かれと思い提案した事は、自分で自分の首を締る事になったのだ。
なんでこうなったの(涙)。
それから、僕は当日に自分一人がコスプレをする事と。
それ以前に、僕が裁縫が出来ないので、出し物の準備は僕以外のメンバーがやる事になった。
従って、文化祭に関しては何もする事が無くなったので、カウンターで待機している訳だ。
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ちなみにクラスの方は、こちらも女装メイド喫茶と言う訳が分からない物が、いつの間にか決まってしまい。
その上、僕が女装しなけらばならない流れになっていたのを、全力で断って裏方になったので、部活の方に集中できる事になった。
だが、僕が女装を断った時、男女問わず、何人もの人間が涙を流した。
そんなに、僕の女装姿が良いの?
釈然としない思いをしながら、カウンターに座っていた。
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部活に関係ない、麗子先輩はクラスの出し物関係で来られないので、今日は僕がカウンターにいる。
今は、静先輩以外は、手芸部の方に打合せに行っているので、静先輩が、一人で準備室にいる事になる。
静先輩の様子を見ようと、椅子を立って、準備室の方に向かう。
準備室のドアを開けて、中を伺うと、先輩が眼鏡を脇に置いて、テーブルに突っ伏して眠っていた。
そんな、無防備な先輩の寝姿を見ている内に、悪戯心がムクムクと湧き起こって来た。
先輩の側に行って、それから揺すって、起きるかどうかを確認する。
「先輩、起きてください〜」
揺すっても、先輩が起きない事を確認すると、丸椅子を引っ張り出し、そして先輩の後ろに持っていって座る。
それから、先輩を脚の間に入れて抱き締めた。
先輩が起きている時は、先輩の動きや感情に気を配って抱き締めていたのだけど。
先輩が寝ているので、純粋に体の柔らかさや暖かさ、甘い匂いを堪能する事が出来る。
しばらくの間、その体の感触を堪能したら、次に、その背中に流れる髪の毛が目に入る。
その流れる髪に手を伸ばし、髪の毛の感触を楽しんだ。
触る、撫でる、持ち上げる、指の間に髪を通して滑らせる、巻きつける、匂いを嗅ぐ、頬ずりする。
思い付く限りの楽しみを試してみた。
そうやって、先輩の髪を弄んでいたら、
「んんん」
先輩が起き出して来た。
それで、急いで先輩から離れようとすると。
「あーちゃん、離れないで。
そのまま、ギュってして、それから髪を撫でて〜」
甘える様な声で、そう言った。
それで、僕は先輩を後ろから抱き締め直して、右手で頭を撫でる。
頭を前から、髪を梳ると、髪が滑るごとに先輩が、小さな溜め息を付く。
そう言えば、以前にも似た様なことがあったなあ(第29話参照)。
先輩は髪を撫で続けると、変なスイッチが入るんだった。
手芸部に行っていた二人が、図書室に返って来るまで、僕は先輩を撫で続けた。




