第56話 天然天使にいたずら1
夏休みのある日。
今日は恵先輩と一緒の日だ。
先輩と二人で、カウンターに座って勉強していると、先輩の様子がおかしい。
隣にいる先輩を見てみると、コクリコクリと船を漕いでいる。
どうやら結構、疲れている様だ。
僕はとりあえず先輩の背中を擦って、起こしてみる事にした。
「先輩、先輩、寝ていますよ」
「ん、あ、寝ちゃったんだね・・・」
「先輩、昨日はそんなに、勉強していたんですか?」
「う〜ん、昨日はそんな事ないけど、連日、結構しているからね」
どうも、疲労が蓄積しているみたいだ。
「少し、準備室で寝ていた方が良いですよ」
「うん、そうした方が良いかな」
流石に、今回は僕の言う事を、素直に聞いてくれる。
「ごめんね、奥で休んでいるから」
と言いながら、準備室へと入っていった。
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あれから、しばらくの間、一人でカウンターにいる。
ふと気になって、準備室の方を眺めてみるが、準備室からは物音一つもしない。
それで、先輩の様子を確かめる為に、準備室を覗いて事にする。
ドアをそっと開けて、中の様子を見てみると。
先輩は、長椅子の端の方に座って、寝ている様だ。
「すう、すう」
中に入って、先輩に近づくと、静かな寝息が聞こえてくる。
その先輩の無防備な寝顔を見ていると、何だか悪戯心がムクムクと湧いてきた。
まず、先輩のトレードマークである、ポニーテールの尻尾を、触ってみる。
尻尾の先を手のひらで撫でてみると、滑らかな毛先が心地良い。
しばらく尻尾を弄んだ後、次に頬っぺたを突いてみる事にした。
「ぷに、ぷに」
あ、プニプニした感触が面白い。
「ううん〜」
おっとっと、先輩を起こしてしまう所だった。
一旦、先輩から離れて眺めていると、スカートから見える膝頭が、目に飛び込んできた。
それを見て、思わず喉を鳴らした。
この学校の制服は、超ミニサイズのスカートと言う訳では無いが、膝丈サイズでも無いので、膝上が結構、露出している。
その露出している、柔らかそうな膝頭を見ていると、その上に頭を乗せたくなるような気持ちが、湧き起こって来た。
そこで僕は、長椅子の上に横になり、先輩に太股の上に頭を乗せる事にする。
僕は先輩から少し離れた場所に座り、それから体を90度反転させ、脚を長椅子の上に乗せてから上体も椅子の上に乗せた。
その状態から、頭の位置を調整して、先輩の太股に頭を乗せる。
「あー、気持ちいいなあ」
その柔らかな感触に、つい声が出てしまった。
太股に頭を乗せると今度は、頭を左右に動かしたりして、その感触を堪能する。
その柔らかな感触を堪能していると、突然、僕の頭が誰かに掴まれた。
「あーちゃん、おイタは駄目ですよ」
先輩がニコニコしながら、そんな事を言った。
「あ、せ、せん「”お姉ちゃん”」・・・」
「疲れていたからスルーしたけど、確か、二人だけの時は”お姉ちゃんって言って”て、言ってたんじゃ無かったけ」
「はい、恵お姉ちゃん・・・」
そう言いながら、僕の頭や頬を撫で捲っている。
「あーちゃんがこんな悪戯をするなんて、以外だな。
でも、あんなに頭を動かしたら、くすぐったくて、目が覚めちゃうよ」
笑いながら、僕を撫で捲る、先輩。
僕は脱出しようとするが、僕を撫でる手の気持ちの良さと、頭の下の柔らかさに、その意志が萎んでしまう。
結局は、その状態のまま僕は、先輩に撫でられ捲られていた。




