第50話 図書室で見つけた天然天使
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皆様のおかげで、無事50話を向かえる事が出来ました。
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夏休みのある日。
今日は、僕が当番の日だ。
朝早くからやって来て、職員室で鍵をもらい、それから図書室に入って。
中を一通り見廻った後、エアコンのスイッチを入れる。
一応、今日は僕一人だけである。
カウンターで勉強道具を広げて、来るかどうか分からない貸出希望者を待つとする。
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「ガラッ」
図書室の扉と開ける音がした。
見ると、女の子が一人で来た様だ。
その女の子は、髪型が前髪を切り揃えた肩まで掛かる位のストレートで、背の高さは静先輩くらいか、雰囲気も静先輩に似ている。
上靴の色を見てみると、2年生のなのは偶然か。
そして、その女の子はチラリと僕を見た後、本棚に行き目的の本を取り出すと、テーブルに座り勉強道具を取り出した。
勉強道具を取り出すと、早速、勉強を始める。
それを見た後、僕は視線を手元に戻し、自分の勉強を再開した。
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それからしばらくの間、僕はカウンターで勉強していると。
あの女の子が本棚の所で、床を見ながらウロウロしている。
それがどうにも気になって、僕はその女の子の所に行ってみた。
「どうしたんですか?」
と僕が尋ねると、その女の子が。
「えっと、片目のコンタクトを落としてしまって・・・」
そう答えた、それで僕は、
「それじゃあ、僕も探しますよ」
「え、はい、お願いします」
そう言う訳で、二人でその本棚付近を探すことになった。
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「ああっ!」
片目だけで探していた彼女が、突然バランスを崩した。
「あぶない!」
思わず、僕は彼女を受け止めた、すると思わず僕に抱きついた彼女が、顔を上げる。
少しの間、何が起こったか理解していなかったのか、ボンヤリとした顔で僕を見詰めた後、急に顔を赤くして僕から離れようとした。
しかし、片目で平衡感覚が狂っているようで、その弾みでまた倒れようとした。
それで、また彼女を抱きとめてしまう。
更に赤くなる彼女の顔、それを見ている僕もドキドキしてきた。
「う、動いたらだめですよ、そこでジッとして下さいね」
僕はそう言って、彼女をジッとさせて、動かない事を確認すると。
「後は僕が探しますから、そのままで居て下さい」
彼女にそう言うと、僕は一人でコンタクトを探し始めた。
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「あ〜、ありがとうございました」
ニッコリ笑いながら、彼女がお礼を言った。
10分ほど探していたら、本棚の角付近で光る物を僕が見つけると、それがそのコンタクトだった。
「いいえ、いいえ、とんでもない」
そう言って謙遜してすると、彼女が。
「あのう、伊倉秋人くんですよね」
「あれ、僕の事を知っているのですか?」
僕の名前を言ったので、その事を聞いてみると。
「うん、静から良く聞いているから」
「静先輩の知り合いですか」
静先輩の知り合いみたいだ。
「うん、静とは友達だから。
それに、静だけでなく、のどかとも友達だし。
あ、そうそう、遅れてごめんね、私、大津 麗子って言うの。
麗子って呼んでね」
と自己紹介する、麗子先輩。
「でも、静が言うとおりだね、秋人くんは可愛いけど、イザと言う時は頼りになるって」
そう言って、僕を褒める麗子先輩。
それを聞いて、僕は頬が熱くなる。
「あっ、もうこんな時間、そろそろ帰らないと」
時計を見ると、急に帰り支度を始める、麗子先輩。
「じゃあ、また合いましょうね」
ニコニコしながら、小さく手を振って、麗子先輩が図書室から帰って行く。
僕は苦笑いを浮かべながら、それを見送った。




