第120話 二人で居眠り
天然天使も、本編は残り7話になりました。
ある日の昼休み時間。
昼食が済んだ僕は、その足で図書室へと向かった。
図書室に着くと、扉を開き、そのままカウンターへと歩む。
「麗子先輩、のどか先輩、ご苦労様です」
「あーちゃん、お昼は済んだの」
「静は準備室にいるよ(だよだよ)」
二人に挨拶すると、そんな言葉が帰ってきた。
それから、準備室の扉を開き、中を見ると、静先輩が日向で本を読んでいた。
「先輩、そこで何をしているんですか?」
「あ、あーちゃん、ここがポカポカしていて暖かいから。
ここで、本を読んでいたのよ」
テーブルに座りながら、窓に対して背を向けていた先輩が、僕が入ると、顔をこちらに向けた。
「ねえ、あーちゃん、こちらにいらっしゃい。
ホントに、ここは暖かいから」
と言いながら、先輩が僕に手招きをする。
そう言う訳で、僕も丸椅子を押して、先輩の隣に座った。
そうして、先輩の右隣に座ってから、気付く。
「先輩、そこで本を読んでいると、まぶしくないですか?」
「うん、だから、体で影を作って、そこで読んでいるの」
今の太陽の位置からすると、普段読む、本の位置だと陽の光が反射してまぶしいのだ。
それで、先輩も本の位置が、体の影になる様な位置で読んでいる。
「でも、それだと、何だか首がキツそうですね」
「それでも、ここは暖かいから良いの」
そう言いながら、本を読む先輩。
僕も先輩に習い、ここで本を読み始める。
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それからしばらく、ここで本を読んでいた。
「ふあっ〜」
何だか、眠気がして来たので、あくびが出て来た。
「あーちゃん、眠いの?」
先輩がそう言う風に、言って来た。
「はい、ポカポカ暖かいから眠気がするんですよ」
「そうなの、実は私も眠気がするのよ」
眠そうな顔を僕に向けて、そう言う先輩。
「ねえ、あーちゃん、チョット良いかなぁ」
そう言いながら、僕の左腕に抱き付きながら、頭を肩に乗せる先輩。
そうすると、僕の肘が先輩の胸に当たる。
先輩の胸の柔らかさを感じるけど、頭が眠気でボンヤリとしているので、そちらの方を余り意識をしていなかった。
ボンヤリした意識の中で、思わず右手を伸ばして、僕の腕に抱き付いている柔らかい先輩の手を握ると。
僕を抱き付いている腕の力が、強くなった。
そうして、しばらくそうしていると。
「すー、すー」
先輩が寝息を立てて、眠り出した。
その先輩の寝息を聞いている内に、タダでさえ睡魔に襲われていた僕も、本格的に眠くなってきた。
「先輩、すいません」
そう言って、僕の肩に頭を乗せている先輩の頭に、僕は頬を乗せる。
先輩の頭に頬を乗せると、先輩から漂う、良い匂いを感じながら、僕は眠りへと落ちて行った。




