第103話 休憩所で誘惑
ある日の休み時間。
体育が終わって、僕は一人、渡り廊下の所にある、休憩所で休んでいる。
今、体育は長距離走の時期である。
他の人間は、着替える為に教室に急いだが、僕は、疲れたので、休んでいる所であった。
「ふうっ」
ベンチに座って、一息吐いていると。
「うわっ!」
イキナリ、冷たい手が、首の後ろに入れられた。
誰かと思い振り返ると。
「はーろー、あーちゃん♪」
そこにいたのは、美咲先輩だった。
「もお、ビックリしましたよ〜」
「ふふふっ、ごめん、ごめん」
口ではそう言うけど、先輩が悪戯が成功した子供の様な、笑顔を見せていた。
「それで、ここで何をしているんですか?」
「それは、ひ・み・つ♡」
先輩が、チロリと舌を出しながら、そう言った。
「で、あーちゃんは何してるの?」
「体育で疲れたので、休憩ですよ」
「ふうん〜」
そう言いながら、先輩が後ろから、僕の頭を胸に抱き締めた。
僕を抱き締める先輩の胸は、自分では、余り自信が無いと言っているが、それなりの大きさがある様だ。
先輩の胸の感触を、僕は後頭部に感じていた。
「くん、くん」
「先輩、何をしてるんですか・・・」
「ん、あーちゃんの匂いを嗅いでたの。
あーちゃんって、汗かいているのに、余り、汗臭くないんだね」
どうやら抱き締めた、僕の頭の匂いを嗅いでいた様だ。
そう思っていると、突然。
「ひあっ!」
僕のジャージの胸元から、先輩が右手を入れたのだ。
先輩の冷たい手が、僕のジャージどころか、その下の体操服や、Tシャツにも突っ込まれた。
「あーちゃんって、暖かいね」
”ウフフ”と妖しい笑いを浮かべながら、先輩がそう言った。
先輩の冷たい手が、僕の裸の胸板にピッタリと当てられた。
「やっぱり見ため通り、毛深く無い所か、ツルンツルンだね」
そう言って、今度は、僕の胸板を撫で出したのだ。
僕の服の中で、円を描く様に、先輩が裸の僕の胸板に、手を滑らせて行く。
その手の動きに、言いようも無い感触が、僕の体を走る。
そうして僕が悶えていると、次に、左手で僕の頭が抱えられる様に抱き直され。
そして、僕の髪を揉む様にして、撫で出した。
「せ、先輩、も、もう授業が始まる・・・」
「だ〜め〜、もう少し、良い事しましょうよ♡」
「そ、そんなあ・・・」
僕は悶えながら、そう言ったが、先輩からそう返された。
結局、僕は、先輩に弄ばれた為に、次の授業をまたサボる羽目になってしまった(涙)




