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第10話 天然天使のお出迎え1

 図書室に着いてから、3人の女子に襲われそうになった事を、先輩方に話したら。

 


 「「「何ですってーーー!」」」



 と、絶叫し、特に恵先輩は。



 「よくも私達のあーちゃんに!そいつら見つけ出して、とっちめてやる!!!!!!!!」



 ・・・非常に激怒した。


 襲われた側だけど、あの先輩達の冥福を祈らずにはいられない、南無、南無、南無。


 それから、昼休みは寄り道をせずに、真っ直ぐ、急いで図書室に来る事を言われ。


 そして、しばらくの間、3人内の誰かが放課後に、僕を向かえにくると言うことになってしまった。


 昼休みは時間が無くて仕方ないらしいが、とにかく、しばらくの間、警戒することになった。


 これでも僕は男なんだけど・・・。



 *****************



 帰りのホームルームが終わり、帰りの支度をしていると。


 何だか、教室の出入り口の方が騒がしいなあ。



 「おい、秋人、オマエに用だってさ」



 同じクラスの男子に呼ばれ、指差された方を見ると、恵先輩が出入り口に立っていた。


 カバンを持って、急いで恵先輩の方へ行った。



 「すいません、お待たせしました」


 「ううん、いいのよ、さあ行きましょうか」



 背後でザワめく教室を後に、図書室へと二人で向かった。



 ****************



 僕の左側に先輩がいる形で、並んで歩いていると。



 「ね、あーちゃん、ごめんなさいね、私のせいで変な噂が広まっちゃって」



 突然、先輩があやまりだした。


 どうやら、あの時の事が広まっている様だ。



 ****************



 それから、しばらく歩いていると、先輩は。



 「あーちゃん、私、迷惑だったかな?」


 「どうしてですか」


 「私のせいで変な噂が立つし、あーちゃん襲われそうになったし」


 「それにあーちゃん、私が抱きつくと迷惑そうな顔してたし」



 と言い出した。


 普段の先輩とは違い、少し落ち込んでいるみたいだ。


 僕は、落ち込んでいる先輩を慰めようと、色々いってみる。



 「迷惑と言うか、ただビックリしているだけですよ」


 「女の子に急に抱きつかれると、誰だってビックリじゃないですか」


 「それに先輩の事、別に迷惑じゃないし、先輩の事、嫌いじゃないですよ・・・」



 少し恥ずかしくなって、語尾があやふやになったけど。



 「うふふ、ありがとう、あーちゃんやさしいね」



 と先輩は言って、僕の左腕に右腕を組んで来て微笑んでくれた。


 これで少しは元気が出てくれたかな。


 しかし、左肘に当たるこの感触は・・・。


 いや、考えない、考えない。


 そのまま状態でしばらく歩いた。



 *****************



 「あの噂の事は気にしないから安心してください。

でも、先輩、これからは行動に気をつけてくださいね」



 と、僕が言うと先輩は。



 「はーい、これから気を付けまーす」



 と微笑みながら答え、頬を僕の肩に付けた。


 元気を取り戻した先輩と僕は、腕を組んだまま、図書室へと向かった。



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不思議な先輩女子と、平凡な後輩男子との不思議な話。
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