幕間6 キメラさんとあそぼう
「ぐれんが連れて行かれちゃったから暇なのだ」
「なノ〜」
緋神紅蓮が、心臓部の改造の為にサイケリに連れて行かれてから早一時間。
その間、桜花とアンはずっと噴水の周りで紅蓮の帰りを待っていたのです。
「あ〜ん、暇なのだ暇なのだ〜!!」
「なノ〜なノ〜!!」
二人はたんっ、たんっとかわいい地団駄を踏みました。
別に二人っきりでいることが嫌じゃない二人ですが、流石に飽きてしまったみたいです。
「も〜……こうなったらやる事は一つなのだ……!」
「ナニ? ナニ!? オウカ、ナニすルの!!」
桜花さん、何かを思いつきました。
アンもそんな様子の桜花を見て、興味津々です。
「ふっふっふっ……この村を、冒険するのだ……!!」
「ボウケン!!! スル!!!」
「じゃあ早速行くのだ〜!! この村の秘密を暴いてやるのだ〜!!!」
「ちょーっと待ちナァ、お嬢ちゃんたち!」
「ここカラ先には行かセなイわヨぉ〜!」
「カカカ! お嬢ちゃんたちニ何処か行かれルと、ワシらが怒られちまうカらナ〜」
いざ、出発! ……と思ったのもつかの間。そこに現れたのは、ゼヘナス・カレナ・ケラーナの3人の魔人―――キメラでした。
みんなは、桜花とアンのゆく道を阻むように二人を取り囲んだのです。
「ちょっと、邪魔しないでほしいのだ!」
「なノ!」
それに反抗した様子を見せる桜花。
でも……
「ダメじゃないノ〜。あの子が帰ってくるまで、おとなしくここで待っテなくチゃ!」
「カカカ、そうじゃゾ。あのお兄ちゃンが帰っテきた時ニ、お前さんたちが居なかったラ心配するじゃろう?」
「そ、それは……そうかもしれないけど……でも、暇すぎて死んじゃうのだ!!」
「ソウ! ヒマ、なノ!」
「ガハハ! それなら俺たちとココで遊ぶかイ?」
「え、また遊んでくれるのだ!?」
「ああ、イイぜ!」
「それじゃあ、鬼ごっこして遊ぶのだ〜!!」
「ウフフ、いいわヨ〜ン。それじゃあ逃げるのはこのエリアだけ―――って!」
「カカカ! もう逃げよったワイ。って、おいおいおい、何処まで行くんジャ……? めっちゃ遠くまで逃げてナイかノ……?」
鬼ごっこができると聞いた桜花とアンは、一目散に逃げ出しました。しかし、カレナたちの話を聞かないまま、桜花たちは村の奥の方へと走っていくのです。
「オイオイ、待てよ……! 多分大丈夫だとは思うが、あっちには“ゼイン”に繋がる門があったよなァ……!?」
「ウフフ……コレは、ワタシたちモ本気を出さなきゃダメみたいネ……!」
「カカ……! 作戦はワシに任せておけイ。お主らでお嬢ちゃんたちを追い込厶のじゃッ!!」
『了解っ!!』
かくして……。
桜花とアンと、カレナたちキメラの、ゼアン村を巡る縦横無尽の鬼ごっこ大決戦が、幕を開けたのだった―――。
◆
「……報告します。現在ゼアン村に、謎の来訪者が2名いる模様。両名とも小さな子供で、何故か村のキメラたちと楽しそうに遊んでおりました」
「それと、その子供の一人が不思議なオーラを放っていたのも確認しました。恐らく、ただの子供では無いかと」
「うむ……。ゼアン村に子供が二人……か。それで? この村に訪れるという者たちは?」
「はい。現在このゼイン村に向かっている集団は一つです。しかし、現在は道中にある小さな洞窟の前で休息を取っているようでして……」
「小さな洞窟で……?」
「はい。そこから、全く動く様子を見せません」
「そうか―――そちらも、気がかりだな」
「どうしますか……? 偵察を続けますか?」
「ああ。そうしてくれ。何か動きがあれば随時報告を頼む」
「「ハッ」」
「むぅ……何か良くないことが起ころうとしている気がする。だが……我々には、魔人族である誇りが―――」
次回更新予定日→12/8(火)22時頃
幕間7 黒紅の瞳と黑紅の槍
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