幕間1 馬車の旅路
馬車旅での一幕
ガタン、ガタン。
「結構揺れるんですね」
俺は揺れる馬車の中で、そう呟いた。
先程ペイン王国のハンター協会から馬車に乗って出発して、道なりに北に進んでいくこと大体数十分。
思ったよりも凸凹した道を通っているため、車内は結構揺れて酔いやすい状況になっていたのだ。
すると、そんな俺の呟きに反応してくれたのは目の前に座るメリドさんだった。
「ま、それもそうだろうねぇ〜」
「ん? どういう事ですか?」
メリドさんの呟きに影咲が首を傾げた。
するとメリドさんは、「だってほら」と疑問に答えてくれる。
「“グラ”が獣人族の住む大陸だってのは聞いてるかな?」
「あ、はい。それは聞きましたけど……それが何か関係しているんですか?」
「その通〜り! 獣人族ってのは基本的に理性よりも本能で動く、見た目通り野蛮な生き物なんだけどさ。それ故に文明もあんまり発展してないし、どれだけ道が凸凹だろうが気にしない訳なのよ」
「へぇ……なんか想像してたのとは全然違うんですね」
俺はまた率直に呟いた。
想像してたのは、それこそゲームとかアニメに出てくるようなカッコよかったり可愛かったりするケモミミの人たちだと思ってたんだけど。
それじゃあ今から行くのは、動物園ってことなのかな。
「初めて獣人族と会った人間はみんなそんな反応をするんだよねぇ。まあ、早めに覚悟はしておくといいよ」
「でもそれじゃあ、他国との外交とかってのは難しいんじゃないですか?」
「おっ、影咲ちゃん。いいトコ突いてくるねぇ!」
「ふむ……その質問は確かに的確なモノだな。キミはいい感性をしているらしい」
「そ、そうですかぁ? えへへ……何だか照れるなぁ」
メリドさんとクロキリさんに褒められて、赤面してしまう影咲。
かわいい。
(かわいいな)
『かわいいのだ』
どうやら桜花ともだいぶ理解りあえてきたようだ。
「それで、さっきの質問だけどね?」
「は、はい!」
「さっき説明したみたいな、理性よりも本能だ〜! っていう獣人以外にも、ちゃんとした人たちも居るんだよ。んー、大体全体の半分くらいは居るかな」
「だな。そしてそういう者たちが、他国他大陸との関わりを繋いできたのだが……」
「そうじゃない獣人たちはみんな攻撃的でねぇ……。ご察しの通り、そっち側の獣人たちが他国に攻撃を仕掛けてるんだよ。それに、理性派と本能派での内部戦争も起きてるからね。もうカオスだよカオス。カオス大陸さね」
やっぱ動物園じゃん。
そんな所に行って、無事に帰ってこれるんだろうか。
というか姉ちゃんたちはそんな所に連れて行かれたのか……。
本当に大丈夫なんだろうな。
「まあ、そんな訳でこういう道もある程度は残っちゃってるのさ。獣人族はあんまり人間族とは関わらない種族だからね」
「なるほど……勉強になります!」
「はは。影咲は勉強熱心だな。素直に関心するよ―――そういうとこも好きだな」
「えへへ、また褒められちゃっ―――たぁっ!?」
ん?
何でそんなに影咲は驚いた顔でこっち見てるんだ?
別に変なことは言ってないとおも……う……け―――ど。
(あ……れ? 今俺……何て、言った―――?)
『ぐれん……お前は本当に―――はぁ』
「ふむ……近頃の若者は随分と積極的なんだな。ははっ」
「ひゅ〜! 少年、やるねぇ〜!」
「あっ、いや、別に、そんなつもりで言ったんじゃ!! い、いや別に違くはないけど、違くて!! あーもう!!」
何を言っているのか分からなくなってきてしまった。
やばい。顔が真っ赤になってマグマのように熱いのが触らなくても分かる。
なんて事を言ってしまったんだ。
こんなの公開処刑同然じゃないか俺ぇっ!!
「うわあああ! 違うんだああああああ!!!」
次回更新→火曜日
短めですが幕間が続きます。次回はちょっとした影咲ちゃんのおはなし。
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国士無双13面待ち




